研究領域 | ソフトインターフェースの分子科学 |
研究課題/領域番号 |
21106505
|
研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
岸村 顕広 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教 (70422326)
|
研究期間 (年度) |
2009 – 2010
|
研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
|
配分額 *注記 |
6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
2010年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2009年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
|
キーワード | ポリイオンコンプレックス / ベシクル / ブロック共重合体 / ポリアミノ酸 / 自己組織化 / ミクロ相分離 / ポリエチレングリコール / 超分子重合 |
研究概要 |
本研究は、ポリエチレングリコールとポリアミノ酸からなるブロック共重合体を基盤とする分子集合体の形成メカニズムや形態制御、及び水中での動的挙動に関する基礎的知見を深めることを目的にしており、特に、ポリイオンコンプレックス(PIC)が示すナノスケールでの動的挙動とマクロスコピックなレベルでの動的構造変換を結びつけるべく研究を実施した。平成21年度に引き続き、PEGの鎖長、ポリアニオン/ポリカチオン連鎖の構造と鎖長、末端基の構造に変化を持たせ、得られるPICの形態の分類を行った。その結果、ポリアミノ酸型PICにおけるベシクル作製に関して、汎用性のある設計指針を得ることができた。得られた知見に基づき、オリゴ核酸、特にsiRNAをホモポリアニオンとみなしてPICの調製を試みたところ、ナノサイズのベシクルを得ることに成功した(特願2010-117823)。siRNAからなるベシクルはその生理活性から治療用ナノデバイスとしての応用が期待される。さらに、これらのPICナノベシクルが、せん断応力の印加により一対のPICへ分解し、再生する現象が見出され、その再生過程で荷電性の高い物質を封入できることを見出した(特願2010-117821)。これは、ドラッグデリバリーシステムをはじめとする診断・治療用ナノデバイスとしての応用に向け、PIC型ナノベシクルの有用性を拡大する非常に重要な技術と考えられる。 一方、ホモポリマーとブロック共重合体を混合することによりPEG含有率を制御し、それに依存したPIC形成を評価したところ、詳細な光学顕微鏡観察と電子顕微鏡観察からPICナノ多孔体を発見するに至った。本材料は、生理食塩水条件で得られ、かつPEG化された多孔体であることから、新規なバイオマテリアル素材として大きな期待ができる。
|