研究領域 | ソフトインターフェースの分子科学 |
研究課題/領域番号 |
21106509
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
塚原 剛彦 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 助教 (10401126)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2010年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2009年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 水 / NMR / ナノ空間 / リポソーム / 緩和 |
研究概要 |
本研究では、高圧NMR技術を用いて、10-100nmサイズの水-in-CO_2エマルジョンを形成し、生体膜間を模倣した空間を作り出し、その内部の水分子の構造とダイナミクスを解明することを目的としている。高圧セル内に銅イオン水溶液とAOT界面活性剤-ヘキサン水溶液を添加した後、シリンジポンプにてCO2ガスを導入し、所定の温度・圧力条件にて撹拌したところ、液滴の飛散や白濁が起こった後、完全に透明な溶液に変化した。この溶液のUVスペクトルをその場計測したところ、通常の銅イオン水溶液と同様であったことから、銅イオンを内包した均一なWater-in-ScCO_2エマルジョンを作製できたことが分かった。作製したエマルジョンの平均粒径は300nm程であることを粒度分布測定により確認した。本法では、水/CO_2の量比を変えることで、エマルジョン粒径を100-1500nmまで変えることも可能である。上記手法を用いてWater-in-CO_2エマルジョンを形成させた後、バルブを切り替えて、高圧NMRセル内に送液することで、Water-in-CO_2エマルジョンのNMR測定を実現した。^1H-NMRケミカルシフト測定を行った結果、複数の水ピークが観測され、密度に依存してピーク位置や強度は変化することが分かった。例えば、20MPa、40℃のscCO_2の条件下の0.1wt%以下の水のピークは3本観測された。これらはそれぞれ、4配位構造を取る液体の水(4.6ppm付近)、水素結合が切断されて単一分子化した水(~1.4ppm),水素結合が僅かに切断された2配位程度の水(~2.6ppm)に帰属された。エマルジョン内における明確な複数本のピークは、水分子交換が極めて遅く、水素結合の弱い水と強い水が共存していることを示しており、通常の水とは全く異なる状態であることが明らかとなった。
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