研究領域 | ソフトインターフェースの分子科学 |
研究課題/領域番号 |
21106514
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
松崎 典弥 大阪大学, 工学研究科, 助教 (00419467)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
2010年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2009年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | 表面・界面 / バイオマテリアル / 組織工学 / 再生医療 / 細胞操作 |
研究概要 |
本年度は、マイクロセンサー粒子を配置したハイブリッド血管組織モデルの構築とシグナル伝達解析を目的とした。血管壁は、血管内皮細胞が産出した一酸化窒素(NO)を平滑筋細胞が受け取ることで弛緩し、血圧が下がる。そのため、内皮細胞からのNOの産生と血管の弛緩を評価することは、降圧剤や心筋梗塞などの治療薬の開発に重要であるが、これまでは動物実験でしか評価ができなかった。本研究では、生体外で動物実験と同様にNOの産出量と拡散距離を評価できるハイブリッド血管組織の構築を目的とした。粒径1.6μmのメソポーラスシリカにNO感受性の蛍光プローブ、DAF-2を担持させることで、センサー粒子を作製した。細胞積層法により血管モデル構造を作製する際に各層にセンサー粒子を吸着させることで、ハイブリッド血管モデルを構築した。NO産生を促進するホルモン剤であるブラジキニンを加えた後の各層におけるセンサー粒子の蛍光強度を共焦点レーザー顕微鏡で三次元的に解析した結果、NO分子が60μm拡散していることを見出した。この拡散距離は、これまでの動物実験と同等であり、生体外の組織モデルで初めて動物実験と同様の評価が可能であることを明らかにした。 以上より、本年度も極めて順調に計画を推進することができた。本研究の成果より、細胞界面を制御して得られたハイブリッド組織が医療・創薬分野に有効であることを証明することが可能であり、幅広い応用が期待される。
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