研究領域 | 揺らぎが機能を決める生命分子の科学 |
研究課題/領域番号 |
21107504
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
黒田 玲子 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (90186552)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
2010年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2009年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | amyloid凝集 / 円二色性 / パーキンソン病 / アルツハイマー病 / Langmuir-Blodgett膜 |
研究概要 |
近年、Alzheimer(AD)やParkinson病(PD)のようなアミロイドーシスが関与する凝集体の生成機構に注目が集まってきている。タンパク質のミスフォールディングの結果として生じるamyloid fibrilに関してこれまでに多くの研究が行われているが、タンパク質が変性過程を経て凝集体へと変化する詳細なメカニズムは明らかにされていない。タンパク質高次構造はその機能発現と密接な関係があり、その揺らぎとダイナミクスを検出し、機能との関連性を明らかにすることは意義のあることである。特に、アミロイドーシスを示すADの原因たんぱく質であるβ-amyloid(Aβ)、PDの原因たんぱく質であるα-synuclein(αS)はin vitroでは脂質膜との相互作用で2次構造を変えるという報告があり、これらのプロセス及びin vitroで疾病につながる凝集状態のダイナミクスを観測することで、タンパク質のコンフォメーション変化に関する重要な知見が得られると期待される。これまで我々は異方性存在下でのキラリティー測定可能な独自の全偏光対応型分光計(UCS-1)、垂直型UCS-2及びStokes-Mueller matrix法に基づく解析法を開発してきた。本課題では、PDの原因タンパク質であるα-synucleinおよびタンパク凝集の多型モデルとして知られているinsulinについて、UCS-1及びUCS-2を用いた濃縮系でのキラリティー測定から、凝集機構についての新たな物理化学的な知見を得ることを目的とした。PDの原因タンパク質の1つであるαSの野生型(WT)-αSと家族性PD患者由来変異型の動的なタンパク質の挙動を比較すると、変異型はWTと比較して2次構造のゆらぎ(不安定性)を示唆する新たな知見を得た。この不安定性は変異型が変異し易く、凝集体を形成するトリガーの一つであると考えられた。
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