研究領域 | 揺らぎが機能を決める生命分子の科学 |
研究課題/領域番号 |
21107528
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 崇城大学 |
研究代表者 |
松下 琢 崇城大学, 生物生命学部, 教授 (10209538)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
2010年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2009年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | テロメア / 揺らぎ / G-quadruplex / 四重らせん構造 / 1分子計測 / ナノバイオ / ラロメア |
研究概要 |
本研究では、染色体の安定化や、細胞の老化やがん化に関与するヒトテロメアDNAに特徴的な「四重らせん構造」形成と、その揺らぎに関与する金属陽イオンの影響の解明を目指している。 今年度は、昨年度構築した、ヒトテロメアテロメアDNAが一本鎖から四重鎖構造を形成したときのみFRET現象によって蛍光を発する実験系を用いて、以下の知見が得られた。 1、テロメア「四重らせん構造」形成を促進することを明らかにしたNa^+・K^+・Ca^<2+>・Rb^+の中で、四重、らせん構造を安定して形成したNa^+に関して、その濃度の影響について検討した結果、この四重らせん構造内には、二つの独立したNa+結合サイトが存在することが明らかになった。各々の結合サイトは、15mM Na^+を境に、低濃度領域で高い結合定数を持ち、高濃度領域では低い結合定数であった。文献調査から、細胞のがん化によって、細胞内Na6+濃度が上昇することが種々の細胞で報告されており、細胞のがん化とテロメア「四重らせん構造」形成の関連が示唆された。 2、上記の研究成果を踏まえ、代表者が所属する崇城大学上岡研と分子科学研究所平田文男先生との共同研究で、三次元RISM理論による水溶液中でのテロメア「四重らせん構造」に関する理論解析が行われ、実験結果と同様に、K^+よりもNa^+の方が「四重らせん構造」の全自由エネルギーが低く安定化していること、「四重らせん構造」内に二箇所のNa+結合部位が存在していることが、計算によっても示された。 3、理化学研究所田原分子分光研の石井邦彦先生との共同研究によって、本実験系は、蛍光寿命相関分光法による解析が可能なこと、テロメア「四重らせん構造」形成過程のナノ秒レベルでのダイナミクス(揺らぎ)が解析可能なことが示された。
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