研究領域 | 高次π空間の創発と機能開発 |
研究課題/領域番号 |
21108521
|
研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
|
研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
川瀬 毅 兵庫県立大学, 工学研究科, 教授 (10201443)
|
研究期間 (年度) |
2009 – 2010
|
研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2010年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2009年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
|
キーワード | 縮合多環状共役系化合物 / 大環状化合物 / 曲面状共役系化合物 / 有機半導体 / 有機光学材料 / 超分子化学 / 有機結晶 / ナノチューブ・フラーレン |
研究概要 |
π電子に囲まれた空間、いわゆる"π空間"をもつ構造はフラーレン類やカーボンナノチューブ、カーボンナノホーンなど、ナノテクノロジーへの応用が期待される炭素新物質のもつ特異な構造である。申請者は、これまでの研究背景をもとに、これまでにない非平面状の"π空間"をもつ化合物を構築し、曲面状の共役系間に働く相互作用の本質を明らかにし、さらに機能性超分子システムへ展開することを目的として研究を行っている。環状アリールアセチレン類合成研究の途上でアリールアセチレン類を出発物質としたπ拡張ペンタレン類やインデノンの新規合成法(新反応)を見出した。この反応は反応機構的にも新規なものであった。また、最近ボウル状の共役系をもつペンタ-iso-ベンゾコラヌレンの合成中間体としてヘリセン状の構造をもつテトラベンゾフルオレン(TBF)の性質について検討した。その結果、17,17-ジアルキル誘導体は、結晶構造解析により、結晶中におけるπスタックの程度によって固体蛍光の強度が大きく変化することが明らかとなった。πスタックが阻害されるn-プロピル基からn-ヘキシル基では極めて高い青色蛍光発光特性(量子収率95~100%)を示した。さらにTBFの17-オンや17-ジアゾ体を合成し、それらが母体TBFと結晶学的に同じ構造をもつことも明らかにした。さらに、TBFの3,14-位を選択的に官能化できることを見出し、鈴木カップリングを用いて、さまざまなアリル基を導入した。その中で、p-ニトロアリル基をもつTBFは蛍光波長に非常に大きな溶媒効果が観測された。現在、有機EL材料・半導体材料・火薬類に反応する蛍光センサーとしての有用性をさらに検討している。
|