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鉄フタロシアニン錯体におけるパイd相互作用とスピン・軌道・電荷の秩序と揺らぎ

公募研究

研究領域分子自由度が拓く新物質科学
研究課題/領域番号 21110506
研究種目

新学術領域研究(研究領域提案型)

配分区分補助金
審査区分 理工系
研究機関東京大学

研究代表者

瀧川 仁  東京大学, 物性研究所, 教授 (10179575)

研究期間 (年度) 2009 – 2010
研究課題ステータス 完了 (2010年度)
配分額 *注記
5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2010年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2009年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
キーワード鉄フタロシアニン錯体 / 核磁気共鳴 / パイd相互作用 / 電荷秩序 / 反強磁性秩序
研究概要

今年度は主としてフタロシアニン環上の炭素サイトのNMR測定を行い、伝導と担うパイ電子のスピン密度分布と磁気秩序の様子を調べた。常磁性状態でのNMRスペクトルの温度依存性を調べたところ、スペクトルの重心が殆ど変化していないことから、d電子がキュリー・ワイス則に従うのと対照的に、パイ電子の磁化率は温度に依存しないことが分かった。また、スペクトルの線幅が低温で増加し、磁化率に不均一な分布が生じていることを示している。この原因として、スピン密度の分布が・電子系の電荷不均衡(電荷秩序)の発達に付随して現れる可能性が考えられる。一方、反強磁性状態(4.2K、7T)におけるNMRスペクトルは、非常に幅の広い連続的なスペクトルを示すことが見いだされた。このことはパイ電子の磁気秩序は、あたかも非整合SDWのように、モーメントの大きさがゼロから連続的に分布した極端に不均一な状態であることを示している。鉄の磁気モーメントと強く結合するシアノ軸中の炭素スペクトルはシャープな反強磁性分裂を示す。更にd電子系とパイ電子系では磁気転移温度も異なる。フタロシアニン環上の炭素サイトとシアノ基上の窒素サイトのNMRスペクトルの温度依存性の比較から、鉄d電子の反強磁性秩序は16Kから13Kの範囲で起こるのに対し、パイ電子系の磁気転移温度は11Kであることが分かった。同じ分子上にある強く相互作用している二つの電子系が、このように異なる秩序状態や転移温度を示すことは極めて異常であるが、まだそのメカニズムは明らかではない。

報告書

(2件)
  • 2010 実績報告書
  • 2009 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010 2009 その他

すべて 学会発表 (2件) 備考 (2件)

  • [学会発表] TPP[Fe(Pc)(CN)_2]_2における電荷秩序と磁気秩序III2010

    • 著者名/発表者名
      森宏文, 瀧川仁, 松田真生, 花咲徳亮, 田島裕之, 内藤俊雄, 稲辺保
    • 学会等名
      日本物理学会
    • 発表場所
      大阪府立大学
    • 年月日
      2010-09-23
    • 関連する報告書
      2010 実績報告書
  • [学会発表] フタロシアニン分子系伝導体TPP[Fe(Pc)(CN)_2]_2における電荷秩序と磁気秩序2009

    • 著者名/発表者名
      瀧川仁
    • 学会等名
      日本物理学会
    • 発表場所
      熊本大学
    • 年月日
      2009-09-28
    • 関連する報告書
      2009 実績報告書
  • [備考]

    • URL

      http://masashi.issp.u-tokyo.ac.jp/

    • 関連する報告書
      2010 実績報告書
  • [備考]

    • URL

      http://masashi.issp.u-tokyo.ac.jp/

    • 関連する報告書
      2009 実績報告書

URL: 

公開日: 2009-04-01   更新日: 2018-03-28  

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