研究領域 | 分子自由度が拓く新物質科学 |
研究課題/領域番号 |
21110508
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
菅原 正 東京大学, 大学院・総合文化研究科, センター特任研究員 (50124219)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2010年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2009年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 両極性分子 / OFET / ダイオード特性 / 周波数依存性 / スピン分極ドナー |
研究概要 |
研究成果の概要(和文):1.両極性分子を用いたOFETのダイオード特性 キノイド骨格を有し、電子もホールも輸送できるテトラシアノテトラチエノキノイド(TCT_4Q)を用いたOFET素子について、原子間力顕微鏡による観察を行い、数ミクロンサイズのTCT_4Qの微結晶が、間隔2μmのソース・ドレイン電極上に電極をまたいで吸着している領域と電極間に微結晶が充填している領域が共存することを明らかにした。被覆基板を用いた結果と併せ、OFETのダイオード特性は、有機薄膜に固有の現象であることが明らかになった。 2.スピン分極ドナーを用いた電界・磁界効果トランジスタの構築 2個の臭素原子導入したTTF型スピン分極ドナー(BTBN)の単一成分結晶を用いてOFETを作製し、そのキャリアの移動度が、それぞれμ_h=1.7×10^<-8>cm^2/V・s、μ_e=2.4×10^<-9>cm^2/V・s(2K)であると見積もった(V_<SD>=13V,V_G=+50~-50V)。また、5Tの外部磁場を印加下では、ホールおよび電子の移動度が、共に約3倍に向上することを見出した。移動度の向上は、磁場の印加によって、局在スピンによる伝導キャリアの散乱が抑えられるために生じたものと推測される。このことは、BTBNの導電性を、2種類の外場(電場および磁場)によって制御できることを示している。以上の成果は、分子のもつ電子構造の自由度を利用した新物性の発現と捉えることが出来る。
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