研究領域 | 分子自由度が拓く新物質科学 |
研究課題/領域番号 |
21110511
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
川本 正 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (60323789)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2010年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2009年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 有機超伝導 / フェルミ面 / 結晶構造 / 有機超伝導体 / 磁気抵抗 |
研究概要 |
構造相転移により低温でドメイン構造をもつ有機超伝導体κ_L-(DMEDO-TSeF)_2[Au(CN)_4](THF)のフェルミ面をシュブニコフ・ドハース振動により実験的に決定した。フェルミ面はバンド計算の予測とよく一致する、異方的な楕円シリンダーが重なり合って構成されている。構造相転移によりフェルミ面に小さなエネルギーギャップが開く事が予測されていたが、これは低磁場から磁気貫通軌道が観測されていることと一致する。ドメイン構造にも関わらず、量子振動が観測された事は、この物質が綺麗な2次元電子系であることを意味している。超伝導の臨界磁場は極めて異方的であり、異方性パラメータはBi系酸化物高温超伝導体に匹敵する150である。また、伝導シート間方向のコヒーレンス長は3.5Aと極めて短い。これはドナー分子のTSeFユニットの長さに相当する。ドメインサイズはこれより十分長い相関長であるため、ドメイン構造は超伝導には影響を及ぼしていないと考えられる。 1994年に米国で開発された有機超伝導体(BEDT-TTF)_2Ag(CF_3)_4(TCE)には2K級のκ型と構造が明らかにされていない10K級の物質が報告されていた。本研究で16年間未解決問題であった10K級物質の結晶構造解析に成功した。10K級物質は、κ型とδ型のドナー分子配列が交互に積層した新奇な結晶構造である。ドナー分子の結合距離から、δ型伝導シートでの電荷秩序状態が示唆されている。これは超伝導はκ型伝導シートだけが担っていると考えられる。したがって、極めて強い2次元超伝導特性が予測される。
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