研究領域 | 分子自由度が拓く新物質科学 |
研究課題/領域番号 |
21110513
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
石田 尚行 電気通信大学, 大学院・情報理工学研究科, 教授 (00232306)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2010年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2009年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 分子性磁性体 / 集積型金属錯体 / 超分子科学 / 単分子磁石 / 高スピン分子 / 相転移 / 磁性電導体 / ホストゲスト錯体 / 液晶 / スピンクロスオーバー |
研究概要 |
我々は合成開発寄りの材料科学研究を進めており、有機材料/無機材料の区別なく広範な元素、分子群を取り扱ってきた。π-dやd-fの組み合わせの中から、現在、新しい電子機能を目指した新材料開発を推進しつつある。電導性、磁性、誘電性、光物性を目指した材料の設計は、「フロンティア軌道設計」と言い換えることができる。本課題で「分子自由度」の意味するものは、スピンの持つ自由度の他に、様々なフロンティア軌道を組み合せられるという設計性自由度である。今年度は、有機結晶の柔軟さと相転移挙動、つまり相の自由度も取り入れた。 1.反磁性-常磁性転移を示すビラジカル系:基底三重項ビラジカル(bpbn)の一連の誘導体が、逐次構造相転移を示し、反磁性からS=1/2常磁性、続いてS=1常磁性となることを明らかにした。反磁性相は薄い橙色、常磁性相は濃い赤色であるために、この物質群はサーモクロミック材料でもある。 2.スピン転移類似挙動を示すπ-dヘテロスピン系:ラジカル-銅系高スピン分子の開発の過程で、単結晶を維持した固相-固相相転移を示しそれに伴って磁気的カップリングを強磁性的から反強磁性的へ転じる物質群を見いだした。これらは、二中心もしくは三中心スピンクロスオーバー物質という観点からも興味が持たれる。 3.4f-3d交換相互作用に見られる化学的傾向:錯体[Ln_2Cu_2]_nの系において、希土類のほぼ全体にわたって交換相互作用を調査した。Lnが重希土類の場合は4f-3d間に反強磁性的カップリングが見られ、軽希土類の場合には強磁性的カップリングが観測された。しかも、原子番号Zに対してプロットすると、明瞭なZ依存性を見せた。
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