研究領域 | 分子ナノシステムの創発化学 |
研究課題/領域番号 |
21111516
|
研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
|
研究機関 | 北海道大学 (2010) 奈良先端科学技術大学院大学 (2009) |
研究代表者 |
長谷川 靖哉 北海道大学, 大学院・工学研究院, 教授 (80324797)
|
研究期間 (年度) |
2009 – 2010
|
研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2010年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2009年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
|
キーワード | ナノ材料 / 超分子化学 / 超格子 / 機能創発 / 希土類 / ユーロピウム / 会合体 / 自己組織体 / ナノ結晶 / TEM / SAXS / 磁気特性 |
研究概要 |
これまで、ファラデー効果に理想的な物質として希土類ナノ結晶EuX(ユーロピウムカルコゲナイド:X=0,S,Se)の合成およびファラデー効果に関する研究を世界に先駆けて行ってきた。このEuXナノ結晶から構成される巨大な自己組織体はEuXナノ結晶間の磁気的相互作用を増大させると考えられ、新しい機能材料への展開が期待される。本年度は溶液中におけるEuSナノ結晶から構成される巨大組織体の構造制御および機能発現に関する検討を行った。 平均粒子サイズ15nmのEuSナノ結晶をアルコール中に分散し、その溶液中における自己会合体形成を光散乱測定(DLS測定)により観察した。観察の結果、アルコール分子の分子サイズが小さいもにほど、大きなEuSナノ結晶会合体を形成することがわかった。さらに、その会合体の大きさは使用するアルコール分子の種類によって制御できることも明らかにした。この溶液中における自己会合体の構造については小角X線散乱測定により同定をした。 EuSナノ結晶会合体を含むアルコール溶液に磁場を印可し、偏光回転角測定を行った。測定の結果、偏光回転が見られる波長領域はEuSナノ結晶分散溶液にくらべて大きく超波長シフトしていることがあきらかとなった。これは、EuSナノ結晶会合体においてEuS結晶同士のエキシトン・カップリングが発生したためと現在考えている。本研究により、EuSナノ結晶会合体を形成することによる特異的な光物性発現の観察にはじめて成功した。
|