公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
本研究は、アミノ酸配列置換型RNA編集の更なる重要性を解明するため、ホルモン分泌に必須のCAPS1に生じるRNA編集をモデルとして選択し、生理的意義を解明することを目的として研究をスタートさせた。前年度に、CAPSI RNA編集に必要な相補鎖配列と責任酵素を決定した。本年度は、以下の解析を行った。1)CAPS1細胞内局在部位へRNA編集が与える効果を解析するため、GFPなどのタグを結合させたCAPS1発現ベクターを作製した。この際未縦集型と編集型を用意し、PC12細胞とMIN6細胞へ導入した。共焦点顕微鏡で観察したところ、CAPS1は細胞質に局在し、非刺激下においても、Latrotoxinによる脱分極刺激を加えても、特に両者の局在に差異を認めないことを確認した。2)CAPS1によるカテコラミン分泌へRNA編集が与える効果を解析するため、PC12細胞中の内在性CAPS1の発現を抑制する必要がある。このため、CAPS1に対するshRNAを導入し、これを安定発現する細胞株を樹立した。現在、この細胞株へ未編集型と編集型CAPS1を導入し、二重安定発現細胞株の樹立を目指している。3)ホルモン分泌におけるRNA編集の重要性を明らかにするため、ADAR1をノックアウトしたMIN6細胞を樹立した。すなわち、Flox-ADAR1 mutantマウスをIT6マウスと交配し、インスリン分泌腫瘍を摘出、ここからMIN6細胞を樹立した。グルコース負荷に良好なインスリン分泌を呈することを確認した後、Cre rccommbinを組み込んだアデノウイルスベクターを感染させ、ADAR1をMIN6細胞からノックアウトした。90%程度のADAR1がノックアウトされたことを確認した。ノックアウトによる有意な細胞死や形態の変化は認めなかった。現在インスリン分泌能やRNA編集効率の変化などを解析中である。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 図書 (2件) 備考 (2件)
生体の科学
巻: 61巻 ページ: 308-314
実験医学
巻: 28巻 ページ: 1628-1635
Neuropharmacology
巻: 59巻 ページ: 468-473
実験医学 印刷中
蛋白質核酸酵素 VOL.54
ページ: 1133-1140
40016708050
遺伝子医学MOOK 最新RNAと疾患研究 15巻
ページ: 174-180
http://apprentice.jpn.org/hp/research-kawahara.html