研究領域 | 細胞内ロジスティクス:病態の理解に向けた細胞内物流システムの融合研究 |
研究課題/領域番号 |
21113501
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
鈴木 利治 北海道大学, 大学院・薬学研究院, 教授 (80179233)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2010年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2009年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 神経変性疾患 / 神経膜輸送 / 膜タンパク質 / セクレターゼ / アルツハイマー病 / 膜小胞輸送 / キネシンモーター / 神経軸索 / 微小管 / 全反射顕微鏡解析 |
研究概要 |
Alcadeinは、Alcα、Alcβ、AlcγからなるI型膜タンパク質ファミリーで、神経系に強く発現する。Alcの細胞質ドメインは、キネシン-1モーターの軽鎖(KLC)に結合するWDモチーフを含み、キネシン-1に結合し軸索内の順行輸送を受ける。一方、家族性アルツハイマー病の原因遺伝子の1つであるAPPもJIP1bを介してキネシンに結合し、AlcとAPPは共にキネシン-1のカーゴ受容体であると考えられている。APPとAlcの均衡の取れた輸送が両タンパク質の代謝安定化に必要であり、輸送バランスの喪失は、アルツハイマー病の発症に関わるAPPの代謝産物βアミロイド(Aβ)の産生増を引き起こす。従って両タンパク質の輸送・代謝制御機構の解明は、神経機能と神経変性疾患の発症機構を明らかにする上で重要である。APPとAlcadeinはゴルジ体でX11Lの制御下に結合していると考えられている。両タンパク質は、それぞれ別の膜小胞としてbuddingしキネシン-1による順行輸送を受ける。APPが比較的安定的に順行輸送を受けるのに対し、Alcは輸送途中でセクレターゼによる切断を受けやすい事が明らかになった。Alcが過剰な状態ではAPP小胞の順行輸送が阻害され、アミロイド生成的な代謝が増加した。AlcはAPPと同様の代謝を受ける事が判明し、その代謝産物がAPP輸送に影響を与えている可能性がAD患者で考えられた。AD患者のCSF中のAlc代謝産物は、健常人に比較して変化が認められた。本研究はAlcの輸送変化とそれに伴う代謝変化がAPPなど他のカーゴの輸送及び代謝に影響を与え神経変性疾患の引き金になる可能性を示唆する。
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