研究領域 | 細胞内ロジスティクス:病態の理解に向けた細胞内物流システムの融合研究 |
研究課題/領域番号 |
21113508
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
藤本 豊士 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (50115929)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2010年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2009年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | イノシトール燐脂質 / 凍結割断レプリカ標識法 / 酵母 / 膜脂質 / 脂肪滴 / オートファジー / リソソーム |
研究概要 |
イノシトール燐脂質は、複雑に錯綜する細胞内の小胞輸送系を仕分ける上で大きな役割を担う。例えば初期エンドソームにはPI3P,ゴルジ装置にはPI4Pが局在し、それぞれのオルガネラの特異性に関わることが知られているが、それぞれの膜内の二次元的な分化は明らかでない。 我々は膜脂質分布をナノレベルで解析し、サブオルガネラレベルの分化を明らかにすることを目的に研究を行っている。この目的に資するため、昨年度までに基本的な技法を確立した急速凍結・凍結割断レプリカ標識法(QF-FRL法)を幾つかの点で改良した。1)これまでに報告したPI(4,5)P2以外のイノシトール膜脂質を標識するプローブを開発した。PI3Pを含む複数のイノシトール膜脂質について、特異性、定量性などに優れたプローブを得ることができ、種々の細胞サンプルの解析に適用した。2)遺伝子機能との相関を系統的に解析するために、変異体の入手が容易な酵母細胞への適用を可能にした。急速凍結に加圧凍結法を用い、細胞壁を消化、除去することによって、良好な形態と標識を得た。PI3Pを含む複数の膜脂質についての解析を行った。 3)細胞の前処理が不要であるQF-FRL法の特長を生かし、高度に分化した動物体内組織解析用に方法を改良した。小胞体、分泌顆粒、閉鎖結合、ギャップ結合などの発達したマウス膵外分泌細胞についての解析をほぼ終了し、投稿準備中である。これらの方法はイノシトール燐脂質を中心とする膜脂質の細胞内分布の解析を可能にし、細胞内ロジスティックスの分子機構の解明に大きく貢献すると考えられる。
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