研究領域 | 細胞内ロジスティクス:病態の理解に向けた細胞内物流システムの融合研究 |
研究課題/領域番号 |
21113517
|
研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
石井 優 大阪大学, その他 (10324758)
|
研究期間 (年度) |
2009 – 2010
|
研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
|
配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2010年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2009年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
|
キーワード | 破骨細胞 / ケモカイン / ケモカイン受容体 / エンドサイトーシス / 細胞内局在 / 生体イメージング / ケモタキシス |
研究概要 |
破骨細胞は単球系血液細胞から分化して、骨を融解・吸収する特殊な能力をもつユニークな細胞である。破骨細胞は骨を新生する骨芽細胞と協同して骨組織の生理的なホメオスターシスに関わる他、関節リウマチや骨粗鬆症・悪性腫瘍の骨転移などでの病的骨破壊において中心的な役割を果たしている。本研究代表者は最近、特殊な顕微鏡を用いて生体骨内部のライブイメージングを行うことに成功したが、これを用いて破骨細胞の骨表面への移動が、血中脂質メディエーターであるスフィンゴシン1リン酸(SlP)によって生理的に制御されていることを明らかにした。さらに、SlP受容体が細胞ケモタキシスの際に動的にエンドサイトーシスおよび細胞膜上への再分布を繰り返していることを予備的に見出しているが、これがどのような分子機構で制御されているのか、またこの受容体の移動・局在が生理的なケモタキシス調節において果たす役割については全く明らかにされてこなかった。本研究では、研究代表者がこれまで研究対象として扱ってきた破骨細胞を標的とし、独自にもつ高い技術である2光子励起顕微鏡を用いた生体イメージングや、細胞遊走の数理モデルなどの学際的な研究手技を駆使して、破骨細胞内ロジスティクスについて具体的かつ統合的な理解を得ることを目標としているが、2年計画の1年目の平成21年度では(1)破骨細胞(前駆細胞)のケモタキシスにおけるSlP受容体のエンドサイトーシス・膜への再分布に関わる細胞内ロジスティクスの解明(2)破骨細胞の分化過程における極性形成・機能分子の局在化を担うロジスティクス機構の解明を中心に研究を遂行した。具体的には、主に(1)についての基礎的実験システムの構築に取り組み、遊走中の破骨細胞内でのSlP受容体の移動を観察するため、蛍光蛋白質を融合させたSlP受容体を用いての細胞内トラッキングや、ケモカイン受容体の細胞内ロジスティクスに関わる分子実体の同定を行った。
|