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MAPKリン酸化シグナルのイメージングによる線虫の環境応答行動の研究

公募研究

研究領域神経系の動作原理を明らかにするためのシステム分子行動学
研究課題/領域番号 21115507
研究種目

新学術領域研究(研究領域提案型)

配分区分補助金
審査区分 生物系
研究機関東京大学

研究代表者

冨田 太一郎  東京大学, 医科学研究所, 助教 (70396886)

研究期間 (年度) 2009 – 2010
研究課題ステータス 完了 (2010年度)
配分額 *注記
7,280千円 (直接経費: 5,600千円、間接経費: 1,680千円)
2010年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2009年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
キーワードストレス / キナーゼ / イメージング / FRET / MAPK
研究概要

動物が環境変化を察知し、その情報を処理し、適応するという一連の環境応答の過程において、MAPK分子は中心的な役割を担うことが遺伝学的、生化学的に明らかにされてきている。しかしその一方で、生きた動物体内のMAPK活性化動態は未解明であった。そこで本研究では環境応答行動を示すモデル生物の線虫を用いて、昨年度までに味覚神経のMAPK活性をイメージングすることに世界で初めて成功していた。本年度はこの系を用いて、MAPK活性を制御する上流経路の特定とその活性化の特性を解析した。まず、サイクリックヌクレオチド依存性チャネルが抑制された変異株(TAX-4株)を用いて感覚刺激に依存したMAPK活性化を検討した。その結果、野生株で観察されたMAPK活性化がこの変異株では抑制されていることがわかった。この変異株では神経興奮を起こす各チャネル活性が抑制されるため、神経興奮とMAPK活性との関連が示唆された。そこで、神経活動のマーカーであるカルシウムシグナルとの時間的関連を調べた結果、MAPKは神経興奮とほぼ同期して活性が上昇していた。イメージングの定量性の良さを生かし、刺激の「持続時間や頻度」とMAPK活性との対応を定量解析した。すると、MAPK活性は神経興奮に依存しながらも、予想外に、一過的な神経興奮だけでは弱いキナーゼ活性しか誘導されず、むしろ、持続的な刺激や高頻度の繰り返し刺激によって強い活性化を生じるという特異的な制御を受けていることが明らかになった。神経興奮の持続時間や頻度は記憶形成や学習行動の鍵となるファクターであるが、学習過程において、一過的な神経興奮の「頻度」の情報を持続的な「神経機能の変化」へと変換する分子的機序は未解明である。本研究結果からこの変換過程にMAPK分子が関与する可能性が示唆された。

報告書

(2件)
  • 2010 実績報告書
  • 2009 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011 2010 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Stimulus-Specific Distinctions in Spatial and Temporal Dynamics of Stress-Activated Protein Kinase Kinase Kinases Revealed by a Fluorescence Resonance Energy Transfer Biosensor2009

    • 著者名/発表者名
      Taichiro Tomida, Mutsuhiro Takekawa, Pauline O'Grady, Haruo Saito
    • 雑誌名

      Molecular and Cellular Biology 29

      ページ: 6117-6127

    • 関連する報告書
      2009 実績報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 線虫感覚神経のMAPキナーゼリン酸化シグナルのin vivoイメージング解析2011

    • 著者名/発表者名
      冨田太一郎、斎藤春雄
    • 学会等名
      第84回日本薬理学会年会
    • 発表場所
      Journal of Pharmacological Sciences, Volume 115, Supplement 1, 2011(東日本大震災の為、誌上開催)
    • 関連する報告書
      2010 実績報告書
  • [学会発表] ストレス応答MAPキナーゼ活性の可視化解析2010

    • 著者名/発表者名
      冨田太一郎、斎藤春雄
    • 学会等名
      日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      神戸国際会議場
    • 年月日
      2010-12-09
    • 関連する報告書
      2010 実績報告書
  • [学会発表] SPATIO-TEMPORAL DYNAMICS OF STRESS-ACTIVATED MAP3K ACTIVITY REVEALED BY A NOVEL FRET BIOSENSOR2010

    • 著者名/発表者名
      Taichiro Tomida, Mutsuhiro Takekawa, Pauline O'Grady, Haruo Saito
    • 学会等名
      Biophysical Society 54th annual meeting
    • 発表場所
      アメリカ合衆国サンフランシスコ
    • 年月日
      2010-02-24
    • 関連する報告書
      2009 実績報告書

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公開日: 2009-04-01   更新日: 2018-03-28  

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