公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
昨年度のスクリーニングで得られた味覚感覚神経の大部分をラベルするLexAエンハンサートラップ系統と特定のみ各感覚神経をラベルするGAL4エンハンサートラップ系統を用いて、味覚一次中枢の詳細な構造を解明し、発表した。また、得られた系統の神経発現パターンを広く一般に公開するため、昨年度より構築していた画像データベースシステムを完成させ、Flybrain Neuron Database(http://ndb.flybrain.org)として公開した。このデータベースは、ショウジョウバエ脳の既知のすべての神経に関する情報を収録した神経データベースと、各種の抗体やエンハンサートラップ系統による脳画像データを収録した抗体・系統データベースからなる。画像に関してはユーザーによるインタラクティブな操作が可能なビューワー機能も搭載し、活用の便宜を図った。歩行行動制御神経が集中するLAL領域の神経回路の構造から予測される活動パターンを搭載したロボットは、本来の生物が利用する匂い情報のかわりに、匂いの拡散パターンを模した明暗画像を上から投射してそのパターンを受光素子で検知し、匂い源に向かって動く行動をシミュレートする試作品の開発に成功した。実際の生物の動きに近いジグザグ状に匂い源に近づく行動を再現できたが、一部の行動パラメーターが厳密には合致しないため、引き続き開発を続けている。並行して、行動制御神経を体系的に同定するために神経細胞系譜に従って神経をラベルする手法を利表して、胴体への下行神経がラベルされるものを探索した。下行神経はいくつかのクラスターを形成し、それぞれが特定の神経幹細胞に由来するクローナルユニット構造を作っていることが解明された。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (7件) 備考 (1件)
J Comp Neurol
巻: 519 ページ: 807-833
巻: 518 ページ: 4147-4181
J Neurophysiol
巻: 103 ページ: 1646-1657
Front Syst Neurosci
巻: 4
http://ndb.flybrain.org