研究領域 | 神経系の動作原理を明らかにするためのシステム分子行動学 |
研究課題/領域番号 |
21115509
|
研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
木村 幸太郎 大阪大学, 大学院・理学研究科, 特任准教授 (20370116)
|
研究期間 (年度) |
2009 – 2010
|
研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
|
配分額 *注記 |
7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
2010年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2009年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
|
キーワード | 線虫C. elegans / 行動 / 光遺伝学的解析 / 神経機能 / 可塑性 / 光遺伝学 |
研究概要 |
複雑なネットワーク構造を持つ脳・神経系の活動は、主として個体の行動に反映される。本研究では、光刺激を用いて線虫C.elegansの複数個体の神経細胞の活動(膜電位変化)を同時に制御し、その行動への影響を詳細に記録・解析できるシステムを構築することを目標とした。 channelrhodopsin(ChR)やhalorhodpsin(HR)などを用いて細胞の膜電位を光依存的に制御するoptogeneticsは、脳・神経系の動作原理を明らかにするための必須のツールになりつつある。しかし、ChRやHRによる膜電位制御には比較的強力な光照射が必要であると考えられており、線虫C.elegansを用いた場合では顕微鏡上という限られた実験系でしか使用できなかった。 本研究では、光刺激用に強力な環状LED照明を作成し、このLED照明と同期を取りながら画像取得するシステムを開発した。これによりC.elegans行動の一般的なアッセイ条件(9cmプレートを使用)でのoptogeneticsによる神経活動制御が可能となり、かつ大量の個体の迅速な行動測定が可能になった。この新たな照明系を申請者がこれまでに開発したC.elegans行動解析システムと組合わせて「行動制御・解析システム」とした。 H21年度にはこの行動制御・解析システムを確立できたので、H22年度はその評価を行った。まず、ChRを体壁筋で発現させた場合、光刺激によるChRの活性化で、線虫の行動が大きく阻害された。次に、特定の感覚ニューロンでChRを発現させて光刺激を行った場合、カルシウムイメージングおよび定量的行動解析から期待された通りの行動変化を引き起こすことができた。本研究によって、C.elegans・ショウジョウバエ幼虫・ゼブラフィッシュといった小型動物の神経機能を光遺伝学的手法によって解析するための簡便なシステムが確立できたと考えている。
|