研究領域 | 神経系の動作原理を明らかにするためのシステム分子行動学 |
研究課題/領域番号 |
21115516
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
松尾 直毅 京都大学, 次世代研究者育成センター, 准教授 (10508956)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
7,280千円 (直接経費: 5,600千円、間接経費: 1,680千円)
2010年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2009年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | 記憶 / 神経回路 / マウス / 遺伝子改変マウス |
研究概要 |
初年度に確立した実験条件で、文脈依存的な恐怖条件付け記憶の形成と想起の際に活動する神経細胞集団をそれぞれ同一個体の脳内で可視化することにより、どちらの過程でも活動する集団の解剖学的同定を行った。具体的には、申請者らが開発したcfos-tTAとtetO-taulacZのダブルトランスジェニックマウスをを用いて文脈依存的恐怖条件付けを行い、この学習刺激により活動した神経細胞集団をtau-lacZで標識した。2日間のDox入りの餌での飼育後、同じマウスを再び同じ装置に3分間戻すことにより、文脈依存的恐怖記憶を想起させた。この2回目の行動刺激により活動した神経細胞集団を、ZIFの内在性発現により標識した。脳切片を作製し、ZIFとlacZに対する抗体を用いて2重免疫染色を行い、蛍光顕微鏡を用いて背側海馬CA1領域の観察、記録を行い、tau-lacZ+ZIF陽性細胞(記憶の形成と想起で共に活動)、tau-lacZ陽性細胞(記憶形成時にのみ活動)、ZIF陽性細胞(記憶想起時にのみ活動)、免疫染色陰性細胞(活動無し)の4種類の細胞の割合を数えた。その結果、文脈依存的恐怖条件付け学習を行った後にその記憶を想起させたグループではtau-lacZ+ZIF陽性細胞の割合が偶然生じる割合よりも有意に高いことが明らかとなった。この結果は、文脈依存的恐怖条件付け記憶を想起する際には、形成時に活動したのと同一の背側海馬CA1錐体細胞が再び活動することを示唆している。
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