配分額 *注記 |
11,700千円 (直接経費: 9,000千円、間接経費: 2,700千円)
2010年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2009年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
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研究概要 |
高等動物の洗練された行動の基盤となるのは,複雑かつ精緻な神経回路である。その発達には,動物が生後に環境から刺激をうけることにより,神経回路が活動依存的に精緻化される過程が重要だが,その機構の理解は不十分である。「バレル」はマウスやラットの体性感覚野にみられる特徴的な組織学的構造であるが,その発達には,生後1週間のヒゲからの入力が必要なことがしられており,活動依存的神経回路発達のモデルとして有益である。われわれは,このバレル発達をモデルとして,マウス遺伝学を主に用いることにより活動依存的回路発達の研究を行ってきた。個々の分子がバレル形成のどの過程でどのように機能しているかを知るためには,バレル形成における神経細胞を観察することが必要と考えられる。本年度は,まず,神経細胞の生体観察に必須の機器である多光子顕微鏡とパルスレーザーを,国立遺伝学研究所の共通機器として導入するために,情報収集を行った。さらに,生体観察のためのステージ,暗幕,チタンバーなどの設計を行い作製した。現在,管理責任者として,導入された多光子顕微鏡のセットアップを行っているところである。また,麻酔,チタンバーの取り付けなど動物の手術のための条件検討を行った。また,大脳皮質第4層の細胞特異的に特定の遺伝子を導入するための条件検討を,様々な遺伝子工学的技術を用いて行った。これらを最適の条件で行うことは本研究の効果的な推進のために重要であり,次年度も継続して改良を行う。
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