研究領域 | 神経系の動作原理を明らかにするためのシステム分子行動学 |
研究課題/領域番号 |
21115520
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
吉原 良浩 独立行政法人理化学研究所, シナプス分子機構研究チーム, シニア・チームリーダー (20220717)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
11,700千円 (直接経費: 9,000千円、間接経費: 2,700千円)
2010年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2009年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
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キーワード | 嗅覚系 / 神経回路 / ゼブラフィッシュ / 誘引行動 / 忌避行動 / 遺伝学的単一細胞可視化技術 / 僧帽細胞 / Tbx21 / ジーントラップ法 / 遺伝学的神経伝達遮断法 / 嗅球 |
研究概要 |
嗅覚系は物体から発せされる匂い分子を受容し、その情報を鼻から脳へと伝え、匂いのイメージを脳内に創造・記憶する神経システムである。また嗅覚系は「快・不快」あるいは「好き・嫌い」と表現される情動、さらには「記憶」と密接に関連した感覚システムでもある。本研究課題では、神経行動学・遺伝学・発生工学・神経解剖学・神経活動イメージングなど多様な実験手法を駆使できるモデル脊椎動物としてのゼブラフィッシュの利点を最大限に活用し、匂い入力から行動出力へと至る「好き・嫌い」さらには「記憶」の神経回路メカニズムの解明を目的とし、以下の4つの項目について解析を行った。(1)嗅覚系のニューロンタイプ特異的GAL4発現トランスジェニックゼブラフィッシュ系統の樹立。(2)蛍光可視化トレーサー・経シナプス性トレーサーを用いた嗅覚神経回路の解剖学的解析。(3)「好き・嫌い・記憶」の嗅覚情報を受容・伝達・処理するニューロンの神経活動イメージング解析。(4)「好き・嫌い・記憶」の匂い入力から「誘引・逃避」などの行動出力へと至る嗅覚システムの行動学的解析。平成22年度においては特に(2)についての研究を発展させた。以前私たちは、ゼブラフィッシュLhx2a遺伝子プロモーターとGal4/UASシステムを組み合わせることにより、嗅球から高次嗅覚中枢へと至る二次嗅覚神経回路の遺伝学的単一細胞可視化を報告した(Miyasaka et al., 2009)。今年度はさらに、ゼブラフィッシュTbx21遺伝子プロモーターを用いることにより、Lhx2aとは異なるサブセットの二次嗅覚ニューロンを可視化することに成功した。現在、イメージ・レジストレーション・システムによって、二次嗅覚神経回路の包括的軸索投射マップを作成している。またマウスTbx21遺伝子プロモーターの解析も行い、二次嗅覚ニューロンにVenus及びsynaptopHluorinを発現するトランスジェニックマウスを作製した。これらマウスを用いて嗅覚神経回路の詳細な解剖学的解析及び嗅皮質における僧帽・房飾細胞軸索末端の神経活動イメージングを行った(Mitsui et al., Neural Systems & Circuits, 2011)。
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