研究領域 | 配偶子幹細胞制御機構 |
研究課題/領域番号 |
21116501
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
金井 克晃 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 准教授 (30260326)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
11,700千円 (直接経費: 9,000千円、間接経費: 2,700千円)
2010年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2009年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
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キーワード | 卵胞上皮細胞 / 配偶子幹細胞 / ニッチ / 性分化 / マウス |
研究概要 |
哺乳類では、雄にのみ生殖幹細胞(GSC)が存在し、セルトリ細胞がニッチ細胞として機能する。また、セルトリ細胞のニッチ能は、Sry下流の一連の性分化プログラムに制御されていることも明らかとなっている。申請者は、本研究課題により前年度まで、精原幹細胞ニッチ因子GDN FとNanos2(GSC維持因子)の上流因子FGF9の詳細な解析の結果、SRY/SOX9の直下の下流カスケードで,FGF9シグナルが性腺全体に急速に波及し、ニッチの場となる精細管形成が同調的に誘導され、さらにGDNF発現もすぐに開始することが判明した(Hiramatsu et al., 2010)。これは、成体でのセルトリ細胞のニッチ形成に関わる因子群は、SOX9の下流カスケードに位置し、性分化直後の胎生期の精細管において、既にGSCニッチ能の必須条件が揃っていることを示唆する。最終年度では、我々の研究室で用いている性分化異常、性転換系である1)XX胎子卵巣の雄腎臓被膜下移植による精巣化、2)XX/Wnt4-ko卵巣、3)熱ショック誘導型Hsp-Sryトランスジーン(Tg)卵巣、4)フリーマーチンXXウシ性腺-を用いて、XX支持細胞における雄性化過程におけるGDNFの時空間的な発現について解析した。その結果,全ての性転換系において、SOX9発現開始後すぐにGDNFの発現が誘導され、SOX9陽性細胞の周囲にGDNFシグナルが蓄積することが判明した。さらに、Gdnf遺伝子の上流解析を行った結果,上流3kb以内に複数のSOX結合配列を見出した。本成果により、SOX9が、Gdnf遺伝子の発現を活性化し、セルトリ細胞による精巣特異的なGSCニッチの場形成を誘導することが推測された(Harikae et al. submitted)。本成果は、支持細胞側のニッチ能の性差の一旦を解明するものであり、哺乳類GSCの性差の機構の解明に大きく寄与するものと考えられる。
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