配分額 *注記 |
6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
2010年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2009年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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研究概要 |
前年度の成果より、解糖系の中心的役割を演じているグリセルアルデヒド-3-リン酸脱水素酵素(GAPDH)が1,2-NQによりCys152を介して化学修飾(S-アリル化)を受けても、細胞内グルタチオン(GSH)を利用してS-トランスアリル化による自身から1,2-NQをGSHに転移させることを見出した。本年度は、GAPDHが細胞内の親電子修飾を制御している可能性について検討した。 複数のGAPDH siRNAをA549細胞にトランスフェクトして、1,2-NQ曝露による細胞内タンパク質の化学修飾の変動を調べた。その結果、用いた4種類のsiRNAはGAPDHを効率よくノックダウンしたが、1種類のsiRNAを除いて1,2-NQによるタンパク質のS-アリル化は変動しなかった。我々は別の研究より、GAPDHと同様にGSH依存的なS-トランスアリル化を触媒するタンパク質として、ユビキチンC末端加水分解酵素Ubiquitin carboxyterminalhydrolase L1 (UCH-L1)を同定した。そこで、UCH-L1のRNA干渉による1,2-NQで見られる細胞内タンパク質のS-アリル化の変化を調べた。その結果、用いた3種類のUCH-L1 siRNA全てにおいて、1,2-NQによるタンパク質の化学修飾は増加した。以上より、UCH-L1は自身の親電子修飾をS-トランスアリル化を介して解除しているだけでなく、細胞内親電子修飾も制御するタンパク質であることが示唆された。UCH-L1の親電子修飾制御能に関して、1)モノユビキチンプールの維持による親電子修飾タンパク質の分解、2)ユビキチン-GSHのプロセッシングによる細胞内GSH量の保持が考えられるので、現在検討中である。
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