研究領域 | 水を主役としたATPエネルギー変換 |
研究課題/領域番号 |
21118514
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
複合領域
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
表 弘志 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (10273707)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2010年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2009年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 小胞型ヌクレオチドトランスポーター / VNUT / ATP認識機構 |
研究概要 |
ATPは生体エネルギー分子として様々な生命現象に深く関わっている。LohmannによるATPの発見以来、ATPの物理学的諸性質とエネルギー利用の分子メカニズムの解明の重要性が認識されてきた。ATP加水分解エネルギーの利用者である蛋白質側から見ると、ATP結合の様式はその後のエネルギー利用の方法を決定する重要なファクターである。したがって、ATP結合様式を理解する事はATPからエネルギーを取り出す仕組みを理解する上で必須なステップである。本研究は、新規のATP結合タンパク質である小胞型ヌクレオチドトランスポーター(VNUT)の解析を通して、蛋白質とATPの相互作用の全体像を理解し、生体内エネルギー分子としてのATPの理解に貢献するものである。 VNUTは分泌小胞にATP等のヌクレオチドを輸送するトランスポーターであり、既存のATP結合タンパク質とは全く相同性がない。精製VNUTをリポソーム中に再構成し、人工膜電位を形成したところ、能動的なATPの輸送が見られた。この輸送は内側が正の膜電位によって駆動され、その活性に塩素イオンを必要とした。興味深い事に、ATPの輸送は2価金属イオンによって影響されなかった。2価金属イオン存在下ではATPは複合体を形成する。したがって、この結果はVNUTはATPとともに2価金属イオンも輸送している事を示唆している。実際Ca45を用いた輸送実験で、VNUTはATPとともにCaを輸送した。
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