研究領域 | 水を主役としたATPエネルギー変換 |
研究課題/領域番号 |
21118515
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
複合領域
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
山中 美智男 九州大学, 大学院・理学研究院, 准教授 (80182583)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
6,890千円 (直接経費: 5,300千円、間接経費: 1,590千円)
2010年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2009年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
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キーワード | ATP加水分解 / タンパク質 / 分子表面 / 部分モル体積 / タンパク質-リガンド結合 / 生物物理 / 密度 / 蛋白質 / ATP |
研究概要 |
当該年度はウシ血清アルブミン(BSA)とATP、ADP、リン酸(Pi)の結合挙動の解明、体積および結合挙動におけるリン酸基の影響の検討を行った。前年度に得られた各成分の部分モル体積を解析した結果、各成分の結合の体積は正であり、BSA分子表面におけるATP加水分解反応の体積変化はPiの結合数に依存することが分かった。解析方法についてはMAC2010(H22年6月、トロント)、解析結果についてはNCSS2010(H22年9月、千葉)、Pacifichem2010(H22年、12月、ホノルル)で報告した。現在、国際雑誌へ投稿すべく論文執筆中である。体積および結合に及ぼすリン酸基の影響を検討するため、アデノシン(Ado)とピロリン酸(PiPi)の部分モル体積をBSA共存下で測定した。Adoの部分モル体積はATPの2倍程度であり、正の結合の体積変化を示したが、結合定数はATP、ADPより小さいことが分かった。PiPiの部分モル体積はBSAが共存しない場合は正の値を持つが、BSAの添加とともに負の値まで減少し、結合の体積変化が負であることが分かった。部分モル体積の解析から得られた結合定数の大きさをまとめるとPiPi>ADP=ATP>Ado>Piの順であった。BSAに結合していないATPとADPの濃度を限外ろ過と吸光度法により測定し、結合定数を得た。濃度の換算を行うとこの値は部分モル体積から得られた値とほぼ一致し、部分モル体積の解析による方法の妥当性を示している。以上の結果は、新学術領域研究「水を主役としたATPエネルギー変換」国際公開シンポジウム(H23年3月、仙台)で報告予定であったが、東日本大震災により中止となった。H23年度に行われる国際会議ならびに国内会議で報告し、論文として国際雑誌に投稿する予定である。
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