公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
クライオ電子顕微鏡法は、水和したタンパク質の構造を明らかにできる強力な構造解析法のひとつである。本研究では、分子モータであるミオシン及びアクチンとの複合体の高分解能構造を解明することを目的とすると共に、その情報を用いて、周辺情報を可視化できるかどうかを検討する。これにより、分子モータである水和状態にあるミオシンの構造とATP加水分解にともなうエネルギー変換のメカニズムについて、構造学的な観点から議論が可能となる。継続的に、クライオ電子顕微鏡法と単粒子解析法を用い、アクチン/ミオシン(鶏)硬直複合体について、FSC50のクライテリアで分解能が7Åを超えた。複数のαヘリックスの位置が同定できるとともに、一部大きい側鎖をもつアミノ酸がどうていできた。ミオシン単独(車軸藻)の分子は、1.5-2nmの分解能で留まっているため、さらに、平均に寄与する分子数を増やし、分解能の向上を目指している。また、分子構築ソフトウェアやSRMD(Spatially-restricted molecular dynamics)を用い、原子モデル構築を継続的に進めた。周辺電場の計算と実験との比較のためのソフトウェアの構築を進めている。今後、これらの技術と実験結果を統合して、水和状態のタンパク質、特に、アクチン/ミオシンなどのモータータンパク質の構造解析と周辺情報の抽出に関する新しい手法を提案することが可能となる。
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Cell
巻: 143 ページ: 275-287
http://www.yasunaga-lab.bio.kyutech.ac.jp/