研究領域 | 水を主役としたATPエネルギー変換 |
研究課題/領域番号 |
21118521
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
複合領域
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研究機関 | 独立行政法人日本原子力研究開発機構 |
研究代表者 |
藤原 悟 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究主幹 (10354888)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2010年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2009年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | アクチン / 中性子散乱 / 中性子準弾性散乱 / 水和 / ダイナミクス |
研究概要 |
本研究は、蛋白質の機能発現に重要な役割を果たすピコ秒・オングストロームスケールの蛋白質や周辺水分子の熱揺動-ダイナミクス-の直接測定が可能な中性子非弾性散乱を用いて、ATP駆動蛋白質F-アクチンについて、蛋白質自体並びに周辺の水分子のダイナミクスの直接測定を行い、周辺水分子のダイナミクスがアクチン分子のダイナミクスに及ぼす影響を明らかにすることを目的としている。 平成22年度は、前年度までに行ってきた構造状態の異なるアクチン(アクチン分子が繊維状に重合したF-アクチン及び単量体状態のG-アクチン)のH_2O水和粉末試料およびD_2O水和粉末試料の中性子準弾性散乱(QENS)スペクトルから抽出した水和水由来のQENSスペクトルの解析を行った。その結果、水和水のスペクトルには、水分子の併進拡散に加えて回転拡散が寄与していることが明らかとなった。また、F-アクチン水和水の併進拡散は、G-アクチン水和水の併進拡散よりも遅いことが明らかとなった。これは、G-アクチンの方がF-アクチンよりも速い運動をするというアクチンの内部運動の違いと対応しており、蛋白質内部運動と水和水の運動が直接相関していることを示唆している。 さらに、水和水のみでなく、より外側の水分子の運動まで調べるためにF-アクチンの(濃厚)溶液試料について、QENS測定を行った。特に、塩濃度の効果を調べるために異なった塩濃度の試料の測定を行った。測定はフランスのラウエランジュバン研究所の非弾性散乱装置IN5で行い、解析に耐えうるS/N比の良いデータを取得することができた。現在、詳細な解析中である。
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