配分額 *注記 |
9,360千円 (直接経費: 7,200千円、間接経費: 2,160千円)
2010年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2009年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
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研究概要 |
近赤外スペクトルに現れるOH振動バンドを利用し,ATPの加水分解のエネルギー見積もりの誤算の原因と考えられるハイパーモバイル水のを試みた.具体的には熱量測定・スペクトル同時測定系を作製し,分光学的エネルギーの定量的な検討を行った。スペクトル強度を利用してvan't Hoffプロットを行うと分光学的エンタルピーを求めることができるが,水のOH伸縮振動の場合,水素結合のために吸光度は溶質濃度に対して線形ではない。すなわちLambert-Beer則を拡張する必要があり,モル吸光係数を部分モル量として再定義する必要がある(部分モルスペクトル)。部分モル量はスペクトルの濃度差分から得られるが,比較的単純な有機物を含む水溶液を用いることでその有効性は示されている。部分モルスペクトル解析法を用いてリン酸や、ポリリン酸の加水分解過程の追跡を行った。アデノシンとATP,ADPなどのリン酸化合物を比較したところ,後者では水の部分モルスペクトルの高波数側に顕著なピークが出現することから,微小なリン酸の濃度変化に伴って水素結合のフリーな水,即ちハイパーモバイル水が存在することが確認できた。
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