研究領域 | 学際的研究による顔認知メカニズムの解明 |
研究課題/領域番号 |
21119515
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
複合領域
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
飛松 省三 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (40164008)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
2010年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2009年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | 顔認知 / 両眼視野闘争 / モルフィング顔画像 / 後方マスク課題 / 気付き / サブリミナル / 事象関連電位 / γ振動 / 顔の特殊性 / 顔多義図形 / 非侵襲的脳機能計測法 |
研究概要 |
顔はヒトにとって特別な存在なので特化した顔中枢ができたのか(domain specific)、それとも顔はいつも見慣れているから中枢ができたのか(expertise)、結論は出ていない。以下の3つの実験課題を用いてsubliminal(識閾下)からvisual awareness(視覚的気付き)に関連した脳の中の顔プローブ(顔の特殊性を指し示す手がかり)を検討した。解析には128ch高密度脳波計を用い、時空間的な顔認知機構の流れを検討した。 1)両眼視野闘争:「ヒトの顔と家」、「ヒトの顔とサル」、「サルの顔と家」を呈示し、「ヒトの顔」、「サルの顔」、「家」の「見え」に気付いた時の反応特性の違いを誘発α振動で検討した。心理実験では「ヒトの顔」>「サルの顔」=「家」という「ヒトの顔」の特殊性が示された。誘発α振動の観察では、「ヒトの顔」に気付いた時に事象関連脱同期を認めた。 2)モルフィング顔画像:「サル→ヒトの顔」へのモルフィング画像観察中に「ヒトの顔」の「見え」に気付いた時の脳波γ振動あるいは顔が見えた時点でのERP(N170)を用いて脳内プローブを検討した。N170振幅は、「ヒトの顔」>「モルフィング画像」>「サル」であり、顔の倒立効果は「サル」で認めなかった。以上より、「ヒトの顔」の特殊性が窺えた。 3)マスク刺激による先行視覚刺激(識閾下、閾上)の効果:識閾下では、N170は出現しないが、後頭部のN150成分が顔<物体であり、倒立顔ではその効果が消失した。意識に上らなくても、顔認知をしている可能性が示唆され、論文にまとめて報告した。 以上より、「ヒトの顔」の特殊性が示されたので、domain specificかどうか更に検討する。
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