研究領域 | 学際的研究による顔認知メカニズムの解明 |
研究課題/領域番号 |
21119529
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
複合領域
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研究機関 | 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所 |
研究代表者 |
中村 みほ 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 機能発達学部, 室長 (70291945)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
2010年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2009年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | ウィリアムズ症候群 / 顔認知 / 倒立効果 / 脳磁図 / 腹側経路 / 背側経路 / 視空間認知 / 社会性の認知 / 顔倒立効果 / biological motion |
研究概要 |
ウィリアムズ症候群における顔認知について、脳磁図、脳波などの神経生理学的手法を用い、倒立効果の出現の有無と認知機能の関連についての検討をまとめ、23年度に論文投稿を行い現在審査中である。倒立効果とは倒立顔が正立顔に比して同定しにくく、神経生理学的検査で倒立顔に対しては正立顔に比して反応潜時の延長や振幅の増大が起きる現象であり、本症候群におけるその出現の状況を同年齢定型発達者の反応と比較した結果、WS患児においては、定型発達と同様の神経生理学的反応を示すものと、示さないものがあることが分かった。その違いは、単純な全体的発達の遅れや、生活年齢の違いでは説明できず、背側経路の機能に特化した発達のレベルにかかわる可能性が推測された。これは、腹側経路の機能であるとされる顔認知機能の一部が、背側経路の機能の発達レベルに影響されることを示すもので、両経路の相互のかかわりの可能性を示唆する点で重要な学術的知見である。 また、上記考案をより説得力のあるものにするため、4名の本症候群患者の視空間認知の発達レベルの縦断的観察を報告するとともに、その障害に対する介入方法についての検討を同時に進めた。 さらに、脳磁図を用いた顔倒立効果の検討をさらに症例を増やして、定型発達者との比較のもとに実施中であり、今後報告の予定である。 また、社会性の認知の検討として、ウィリアムズ症候群におけるバイオロジカルモーション知覚の有無について脳磁図による検討を加えており、より多くの症例で今後報告の予定である。 また、ウィリアムズ症候群患児に対して定型発達小児にとの比較のもとに、心の理論(サリーアン課題)の発達とvisual perspective taking(他者は自分と同じ物体を異なる視点から見ている場合があることの理解)の発達を検討中である。これは次年度以降にさらに症例を増やして検討予定である。
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