公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
本研究は、衛星データ・地上計測・モデル計算を複合利用して、精度の高い大気エアロゾル分布の導出を目指すものである。気候や環境変動のために大気エアロゾルが通常値を超えて卓越するエアロゾル・イベントは、環境や健康に大きな影響を与える。東アジアのエアロゾル・イベントというと、土壌性ダストによって引き起こされる黄砂現象、火山爆発による灰燼、森林火災由来の燃焼性炭素エアロゾル汚染等が挙げられる。ここでは、このエアロゾル・イベントに焦点を当て、エアロゾル特性導出手法(リトリーバル)の高精度効率化に取り組んだ。得られる結果は通常時のエアロゾル・リトリーバルに対しても有用である。本課題研究から以下の成果が得られた。1.10年間の蓄積されたグローバルなAERONETデータに基づきエアロゾルタイプを分類。2.光学的無限の地球大気モデルにおける放射計算手法の提案と実稼働(無限大気放射コード)。3.波長0.55μmにおける光学的厚さが5を越える大気からの太陽反射光(衛星観測値に相当)は、項目2の無限大気モデルの値に収束する事を数値モデル放射計算から検証確認。4.MODISデータが捉えた高濃度黄砂現象を、新たに構築した無限大気放射コードに基づき解析し、土壌性エアロゾル・リトリーバルを実施。5.GOSAT/CAIとPARASOL/POLDERの併合利用による2010年ロシアの森林火災起源煤煙粒子特性導出。6.(高度分布を考慮したエアロゾルタイプ別)衛星データからのPM粒子推定式の提案。
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