研究領域 | 都市文明の本質:古代西アジアにおける都市の発生と変容の学際研究 |
研究課題/領域番号 |
21H00008
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
人文・社会系
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研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
長谷川 修一 立教大学, 文学部, 教授 (70624609)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 後期青銅器時代 / 初期鉄器時代 / 南レヴァント / 都市変容 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、南レヴァント地域に所在するテル・レヘシュの後期青銅器時代から初期鉄器時代にかけての層を発掘調査し、その物質文化の変遷を精緻に跡付け、個々の層位を放射性年代測定法を用いて正確に年代付け、さらにその成果を同時代の周辺地域の都市の調査結果と比較することにより、同時代の南レヴァントにおける都市文明の変容を実証的に跡付けることを目的とする。本研究の中核を成すのは2シーズンにおよぶテル・レヘシュの発掘調査と調査によって出土する遺構・遺物の分析である。
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研究実績の概要 |
予定していた2022年夏季のイスラエルの下ガリラヤ地方東部にあるテル・レヘシュにおける現地発掘調査も、2020年以来全世界で猛威を振るっている新型コロナウィルス蔓延のために実施できなかった。そのため、本研究の核心を成す放射性炭素同位体による年代決定に使う年代サンプルの収集も大変残念ながらまったく実施することがかなわなかった。しかし、現地へ渡航することはできたため、2022年の8月と2022年12月から2023年1月にかけて、特に2006年度から2010年度の調査において検出した遺構や収集した遺物の分析を進め、発掘調査報告書の形にまとめる作業を実施した。全部で21章から成る報告書のうち、すでに18章を校閲に出しており、2023年度中に出版される見込みである。 こうした研究の結果、テル・レヘシュにおける後期青銅器時代から初期鉄器時代への移行期における都市変容のあり方について、絶対年代を決定することは難しいものの、以下の点が明らかになった。 第一に、テル・レヘシュにおいては、後期青銅器時代から初期鉄器時代にかけて、物質文化が継続しており、大規模な破壊は見られないこと。破壊はむしろ初期鉄器時代に入ってしばらくしてからその部分的な痕跡が認められる。 第二に、テル・レヘシュにおける後期青銅器時代から初期鉄器時代は都市が最も繁栄した時代であったこと。この時代に、他では稀にしか見られない、城壁を伴なわい城門が建設されるなど、都市としての権威を示威するような建築物が建てられた他、公的なスペースにオリーヴ搾油施設が複数建設されるなど、産業も盛んとなった。 こうしたことから、これまで「暗黒時代」と考えられてきた同時代において、南レヴァント北部の人々はそれまでの社会生活形態を踏襲しつつも、新たな時代を切り拓くような試みを展開していたと結論できよう。
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現在までの達成度 (段落) |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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