研究領域 | ハイドロジェノミクス:高次水素機能による革新的材料・デバイス・反応プロセスの創成 |
研究課題/領域番号 |
21H00029
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 東京大学 (2022) 国立研究開発法人物質・材料研究機構 (2021) |
研究代表者 |
石河 孝洋 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 特任助教 (40423082)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 水素化物 / 超伝導 / 高圧安定相 / 進化的アルゴリズム / 第一原理計算 |
研究開始時の研究の概要 |
高圧力下におけるランタン(La)-水素(H)系で550ケルビン(277℃)の室温超伝導が観測されたという論文が2020年6月にプレプリントサーバ上で報告された。水素供給源のアンモニアボラン(NH3BH3)がLa-Hと化合して超室温超伝導が引き起こされた可能性があるが、組成・結晶構造などの詳細は全く明らかになっていない。組成や構造は形成エネルギー凸包を構築することで決定できる。本研究では、進化的アルゴリズムを使って凸包の構築を高速に行える独自の手法をLa-B-N-H系に適用させて安定水素化物を探索し、550ケルビンの超伝導に対応する水素化物の特定と更なる新奇室温超伝導水素化物の発見を目指す。
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研究実績の概要 |
ランタン水素化物(La-H)について高圧力下で冷却と加熱を繰り返し行うと超伝導転移温度が550ケルビン(277°C)に到達することを2020年に米国のグループが報告した。水素供給材として使用されたアンモニアボラン由来のホウ素(B)や窒素(N)が加熱の際にLa-Hに取り込まれて超伝導性が増大した可能性が考えられているが、その詳細は不明である。これについての知見を得るためには、La-B-N-H系の高圧力下における安定組成と安定構造を決定し、その超伝導性を調べることがまず必要となる。そこで本研究では、これまでの研究で開発した「進化的アルゴリズムによる形成エネルギー凸包構築手法」と第一原理計算を組み合わせてLa-B-H系及びLa-N-H系の安定相と超伝導相を探索し、550ケルビンの超伝導について検証を行う。 2021年度は本研究の準備と、250万気圧下におけるLa-B-H系への適用を開始した。2022年度はこの研究を継続しつつ、新たに100万気圧下におけるLa-B-H系及び20万気圧下におけるLa-N-H系へ適用させた。250万気圧下におけるLa-B-H系ではLa2B3H30などが安定相として出現し、超伝導転移温度が最高で63ケルビンとなることを予測した。100万気圧下におけるLa-B-H系でもLa2B3H30などが出現して最高で51ケルビンの超伝導となることを予測した。また、20万気圧下におけるLa-N-H系では、La3NH4などが出現し、超伝導転移温度は9ケルビン程度であった。これらの結果をまとめると、両系とも超伝導転移温度は550ケルビンには到底及ばないためBやNはLa-Hに取り込まれた物質ではないと結論づけた。一方、本研究を遂行することによって実験で合成可能な新規超伝導相を複数予測することができたため、今後は実験グループとの共同研究によってそれらの実証を目指す。
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現在までの達成度 (段落) |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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