研究領域 | 新しい星形成論によるパラダイムシフト:銀河系におけるハビタブル惑星系の開拓史解明 |
研究課題/領域番号 |
21H00049
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 九州大学 (2022) 大阪府立大学 (2021) |
研究代表者 |
徳田 一起 九州大学, 理学研究院, 特任助教 (60802139)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 星形成 / 電波望遠鏡 / 分子雲 / マゼラン雲 / ALMA / 低金属量環境 / 巨大分子雲 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、赤方偏移が2程度に近い銀河の金属量(太陽系近傍の0.2倍程度)を有しており、太陽系からの距離60 kpcに存在する小マゼラン雲に着目する。最新鋭電波望遠鏡であるALMAを用いることにより0.1 pcより高い解像度で観測し、低金属量環境下の紐状(フィラメント状)分子雲の有無およびその性質を初めて観測的に明らかにすることを目的とする。フィラメント物理量が銀河系や大マゼラン雲とどのように共通しているか、あるいは異なっているかを調べることにより、現在宇宙の星形成理論の延長線上として遠方銀河(初期宇宙)の星形成が理解可能かどうかを検証する。
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研究実績の概要 |
銀河系における(特に太陽系近傍)分子雲から原始星がどのように形成されるかという問題については近年の観測技術の発達によりその原始星形成極初期を除いては概ね理解されるようになった。星間ガスの大局的な流れ、あるいはガス雲同士の衝突により局所的に0.1 pc程度の幅を持つ高密度な紐状分子雲が形成され、その後重力の力により分裂/収縮し、原始星形成に至るという描像である。 一方で遠方銀河の観測に目を向けると、現在の銀河系では見られないような高い効率で星が形成されており、少なくとも赤方偏移2程度までは 増加傾向である。遠方銀河の観測は現在/将来の観測技術を持ってしても個々の星形成領域は分解できない。そこで本研究では、太陽系から最も近い低金属量銀河である小マゼラン雲を観測することにより、そこに存在する分子雲を観測し、内部でも星形成活動を理解する。 一つの特筆すべき成果は、原始星が観測可能な銀河においては最も重元素量が少ない小マゼラン雲において、ALMA望遠鏡の観測で星の産声に相当するガス流(アウトフロー)を初めて検出したことである。そのガス流の物理量(運動量など)を定量すると、10^4太陽光度を持つ原始星においては、銀河系の大質量星原始星と酷似していた。これは、星の誕生過程は過去の宇宙においてもアウトフローを駆動する過程は現在と定性的には普遍であったことを示すものであり(Tokuda et al. 2022, ApJL, 936, L6)、世界に先駆けて小マゼラン雲観測の重要性を訴えた。
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現在までの達成度 (段落) |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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