研究領域 | ミルフィーユ構造の材料科学-新強化原理に基づく次世代構造材料の創製- |
研究課題/領域番号 |
21H00095
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
戸木田 雅利 東京工業大学, 物質理工学院, 教授 (30301170)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,890千円 (直接経費: 5,300千円、間接経費: 1,590千円)
2022年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | 液晶性高分子 / スメクチック液晶 / 力学物性 / ミルフィーユ構造 |
研究開始時の研究の概要 |
Sm液晶高分子の単一ドメイン試料を調製し,Sm層法線方向に延伸した時の層構造の変化,キンク形成と応力-ひずみ(S-S)特性を調査,それらの相関を明らかにし,高分子材料系ミルフィーユ構造におけるキンク形成とキンク強化現象を検証する.Sm構造変形とS-S特性の対応は,放射光を用いたX線回折/S-S同時測定での検討,実験室で所定ひずみ印加直後にX線回折測定して検討する.塑性変形による層間隔の変化やキンク導入による層の傾きをX線回折で計測するほか,層の方向に沿ったキンク(波うち)の周期を光学的手法(顕微鏡観察,レーザー回折)で解析する.
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研究実績の概要 |
前年度調製した4種の繊維A~Dを室温(ガラス状液晶状態)で延伸し,応力と放射光X線回折パターンを同時測定した.以下,スメクチック層の変形を述べる.繊維A:層間隔が増加し,破断と同時に回復した.繊維B:層間隔が減少し,傾き角が増加した.分子鎖が軸方位にずれて層が傾いた.繊維繊維C:層間隔が増加するとともに層の分断が進行した.繊維D:繊維Aと同等の結果であった.応力とスメクチック層間隔の増加率から,スメクチック層間隔の拡大変形の弾性率を見積もったところ1GPaであった.繊維Cにおいては層間隔が6%以上拡大すると,層の分断に伴い他の繊維よりも顕著に大きな応力を示した.以上から,繊維Cは層を分断することで力学エネルギーを散逸し,大きな応力を示すと結論した. 繊維Bのモルフォロジーを偏光顕微鏡観察とラマン分光で検討した.繊維Bの断面は扁平であり,X線入射方向を変えて測定した回折パターン(ビーム径300μm)から,層が局所的かつ,扁平断面繊維の面に平行かつ層方向に周期的に折りたたまれたキンク(シェブロン)構造を形成していると考えられた.一方,面に垂直な方向からビーム径4μmのレーザーを入射したラマン分光スペクトルは分子鎖(スメクチック層法線)が一方向に配向していることを示した.したがってシェブロン構造を形成しているとすればその周期は10μm以上のはずである.しかし,扁平面に平行に切り出した繊維の薄膜切片の偏光顕微鏡像は層が一様に傾いていることを示唆した.以上から,層は一様に傾き,かつ扁平断面繊維の厚み方向に沿って配向方向が変化すると考えた.
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現在までの達成度 (段落) |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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