研究領域 | 量子クラスターで読み解く物質の階層構造 |
研究課題/領域番号 |
21H00117
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大塚 孝治 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 名誉教授 (20201379)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 原子核構造 / アルファクラスター / ホイル状態 / 炭素原子核 / モンテカルロ殻模型 / 第一原理計算 / コア無し殻模型計算 / モンテカルロから模型計算 / 炭素12原子核 / モンテカルロ殻摸型 / 炭素12 |
研究開始時の研究の概要 |
原子核におけるクラスター形成をベリリウムのアイソトープ、及び、炭素12に対してモンテカルロ殻模型により研究する。殻模型は実験室系での物理的情報を与えるが、クラスター形成は原子核とともに動く内部固有座標系でないと見えてこない。最近研究代表者らによって開発された方法によりそれを実現する。炭素12に関しては、クラスターの三角形配置や線型配置の現れ方を、ホイル状態(2番目の 0+ 状態)も含め、原子核の楕円体変形にも関連させて明らかにする。この研究で入力として用いる波動関数は、十分な相関が含まれ、また、クラスター構造を前提にしないで得られたものなので、中立的な立場から以上の研究を進めることになる。
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研究実績の概要 |
原子核におけるアルファクラスター構造の解明を量子色力学に直接基づく第一原理的なコア無しモンテカルロ殻模型により行う研究を推進し、最初の論文の準備を進めた。また、その研究成果を国際会議などで発信した。 論文は Nature Communications 誌に掲載された。すでに14回の引用をされている。その論文では、モンテカルロ殻模型の特徴を活かして、先ず、原子核の状態の内部固有状態を求めて、原子核のスナップショットを得ることに成功した。さらに、もう一つの特徴である Tplot を用いて、通常の核物質に相当する成分とアルファクラスター成分とに分離することに成功した。これにより、第一原理的な核力により、これらの間での結合が起こり、実際の固有状態では重ね合わせになっていることが判明した。これは従来の治験とは異なる大きな成果である。具体的には、十分束縛している状態でもアルファクラスター的な成分があることになるので、アルファ崩壊の理論的解明に道を開くものである。 この方法で炭素ー12原子核の構造解明を進めた。基底状態、ホイル状態のそれぞれに核物質的な成分とアルファクラスター的な成分が含まれることを初めて第一原理的に示し、従来の閾値模型とは異なる知見を得た、計算で得られた、エネルギーや電磁気的性質は実験データとよく一致している。特に、基底0+状態と第一励起状態である2+状態は完璧な回転状態を成していることを、第一原理的な理論枠組みの中で示せたことは大きな意義を持つ。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
第一原理的なコア無しモンテカルロ計算により、予想外の結果が得られた。つまり、従来の理論予測を裏付ける結果を想定していたが、アルファクラスター形成が十分に束縛された状態でも起きていることが分かり、今後の研究に大きなインパクトを与えた。
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今後の研究の推進方策 |
対象となる状態を広げ、また、原子核を質量数が14から20あたりにまで広げる。
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