研究領域 | 量子クラスターで読み解く物質の階層構造 |
研究課題/領域番号 |
21H00132
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 (2022) 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 (2021) |
研究代表者 |
岡 眞 国立研究開発法人理化学研究所, 仁科加速器科学研究センター, 客員主管研究員 (60144606)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | ダイクォーク / ヘビークォーク / カイラル対称性 / 軸性アノーマリー / クォーク / ハドロン / 量子色力学 QCD / テトラクォーク / 量子色力学 |
研究開始時の研究の概要 |
カイラル対称性や軸性アノーマリーに基づく軽いダイクォークのカイラル有効理論をヘビーバリオンのスペクトルに適用した成果をもとに、ダイクォークを構成要素とするマルチクォーク系の束縛状態と共鳴状態のスペクトル及び崩壊過程を解析し、新しいハドロン分光分野の開拓に挑戦する。特に、カラーを持つダイクォークの閉込め現象やボソンの対称性を示すダイクォーク間の相関など、QCD のカラーダイナミクスが複合系で果たす役割に注目する。最近注目されているテトラクォークやペンタクォークなどのマルチクォーク状態のスペクトルと構造をダイクォーク描像に基づいて明らかにする。
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研究実績の概要 |
ハドロン中のカラーをもつダイクォーククラスターの質量スペクトルやダイナミクスをカイラル対称性に基づく有効理論を用いて解析した。軽いクォーク(u, d, s) 2個からなるダイクォークのダイナミクスは、軽いメソンと同様にSU(3)xSU(3)カイラル対称性およびU(1)A軸性アノーマリーによる強い制限を受けることが想定される。このようなダイクォークの性質を調べるためには、ヘビークォークとの束縛状態であるヘビーバリオンのスペクトロスコピーが大変有効である。我々は、スカラーおよびベクトルのダイクォークに関するカイラル有効理論を構築し、その性質に基づいてダイクォークのスペクトルを解析した。カイラル対称性によると、フレーバーSU(3)の3 bar 状態のスカラーダイクォークと擬スカラーダイクォークがカイラルパートナー(組)として関連付けられる。また、SU(3) 6状態の軸性ベクトルダイクォークと3 bar 状態のベクトルダイクォークが別の組になる。カイラルパートナーは質量や相互作用に強い連携が見られ、その連携がそれぞれを含むヘビーバリオンの性質に反映される。具体的には、正パリティのバリオン基底状態 Lambda_Q, Sigma_Q (Qはヘビークォークを表す)などに対応して、負パリティのrho-mode励起状態が対応してその性質に対応関係が見られる。今年度はこれらの総合的なまとめとして、バリオンスペクトルとその崩壊幅の性質をカイラル有効理論に基づく解析により明らかにするとともに、有限温度、密度でカイラル対称性の部分的な回復現象が現れる際に、ダイクォークの質量がどのように変化して、それがバリオンスペクトルに現れるかについてカイラル有効理論および南部ーヨナラシニオ模型による計算を行って予言を行った。将来高密度物質中でヘビーバリオンの実験的観測が行われれば、非常に重要な検証となる。
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現在までの達成度 (段落) |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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