研究領域 | ハイエントロピー合金:元素の多様性と不均一性に基づく新しい材料の学理 |
研究課題/領域番号 |
21H00151
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
水口 佳一 東京都立大学, 理学研究科, 准教授 (50609865)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
8,450千円 (直接経費: 6,500千円、間接経費: 1,950千円)
2022年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
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キーワード | 超伝導 / 結晶構造 / ハイエントロピー合金 / 層状物質 / 局所構造乱れ / 異常熱膨張 / 電子状態 / 原子振動 / 新超伝導体 / 結晶構造次元性 / ハイエントロピー合金型化合物 / 超伝導体 / 高圧効果 / 新物質 / 薄膜 / 高温超伝導 / 結晶構造解析 |
研究開始時の研究の概要 |
代表者はHigh-Entropy-Alloy(HEA)の概念を化合物超伝導体に適用した新しい超伝導体を開発してきた.化合物中には様々な特徴を持った化学結合が存在し,HEA化することで電子状態に大きな変化が期待できる.本研究では,これまでに合成してきたHEA型超伝導体を結晶構造次元性の観点で整理し,新たに1次元~3次元的結晶構造を有する新しいHEA型超伝導体を開発し,化合物のHEA化が結晶構造および超伝導特性にどのような影響に関する普遍的な理解を得ることを目的とする.得られた指針に基づいて高い特性を持った新超伝導体の開発を目指す.
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研究実績の概要 |
ハイエントロピー合金型(HEA型)化合物超伝導体は,新たな乱れた系の超伝導体として 注目を集めている.本研究では,様々な結晶構造を持つ化合物超伝導体をHEA化し,結晶構造次元性とHEA化による影響の違いを明らかにするとおもに,HEA型化合物超伝導体に特有の超伝導特性を見出すことを目的とした. 2022年度は,3次元構造のHEA型超伝導体として,NaCl型テルライドMTe,A15型超伝導体Nb3XおよびV3Xの開発を行い,擬2次元系として遷移金属ジルコナイドTrZr2の研究を行った.また,層状物質として,銅酸化物高温超伝導体ReBa2Cu3O7-dの薄膜開発を行った. MTeにおいては高圧下での特異な超伝導特性を見出すことに成功した.高圧印加によっても,高圧相(CsCl型構造)での超伝導転移温度(Tc)が変化しない現象を見出した.配置エントロピーの低いMTeでは高圧の印加でTcが顕著に低下するため,本現象はHEA効果によるものと結論付けた.また,原子振動シミュレーションや電子状態計算から,HEA化によってガラスのような原子振動特性と電子バンドのぼやけが生じていることを見出した. A15系では,Nb3X(XサイトをHEA化)では相分離が生じず,V3Xでは複数のHEA型組成への相分離が生じることを見出した.V3Xの相分離は,近年研究コンセプトが提案されたCCA(Compositionally Complex Alloy)に該当するものであり,上部臨界磁場が大幅に上昇することも見出した.TrZr2では,比熱測定やμSRを系統的に行い,電子対の寿命が非常に短いことや超伝導ギャップの不均一性を見出した.また,TrZr2における一軸負の熱膨張を発見した.銅酸化物系薄膜の開発に成功し,HEA化によって強磁場下での臨界電流密度特性の低下が抑制される可能性を示した.
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現在までの達成度 (段落) |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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