研究領域 | 宇宙観測検出器と量子ビームの出会い。新たな応用への架け橋。 |
研究課題/領域番号 |
21H00162
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
高橋 嘉夫 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (10304396)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
2022年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | XAFS / XRF / TES / REE / 化学種 / Pt / 超微粒元素分析 / 資源化学 / 環境化学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、X線吸収微細構造(XAFS)法やマイクロビームを用いた蛍光X線マッピング法は、代表的な量子ビームである放射光X線を用いたX線分光法であり、これに超伝導転移端検出器(TES)の導入を図るのが本研究の目的である。本研究では、TESが持つ極めて高いエネルギー分解能を活かして、(1)超高感度のXAFS・XRF分析、(2)TES-μ-XRF-XAFSによる化学種マッピング分析、(3)高分解能XANES、という3つの先端手法を確立し、「人類の夢や安全安心」に関わるテーマを展開することで、社会一般にTESや量子ビームをアピールですることで、TES-XAFSやXRF法の有用性をアピールする。
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研究実績の概要 |
超伝導転移端検出器(TES)を用いた放射光X線分光法(蛍光XAFS法)の開発と応用を山田真也准教授(立教大学)と協力して進めた。この方法により、蛍光XAFS法において目的とする蛍光X線が他元素により妨害されて検出が困難になる場合、エネルギー分解能の高いTESを用いることで、その検出を可能にすることができた。その例として、特に地質学的試料中のセリウムの高感度分析(Li et al., 2023)が挙げられ、Tiなどに妨害される蛍光X線をTESで分離して測定することにより、天然試料中のより高感度なCeの化学状態分析が可能になった。その他、リュウグウ試料中の微量元素分析(Nakamura et al., 2022)なども行い、それぞれ試料の起源物質や形成過程に関する情報を得ることに成功した。また通常は波長分散型の検出器で行う高エネルギー分解能蛍光検出(HERFD)-XANES法を、世界で初めてTESを用いて検出することに成功した(論文準備中)。特にセシウムL3端でより分解能の高いXANESを得ることに成功した。一方で、吸収端のエネルギーが高いウランのL3端では、高分解能化は起きなかった。その傾向には、TESのエネルギー分解能が 7 keV付近から急激に悪化することが影響していると考えられ、今後さらに幅広いエネルギーにおいて高いエネルギー分解能が得られるTESの開発が望まれる。HERFD-XANESは、従来のXANESスペクトルに比べて、より高感度で多くの電子状態情報が得られる分光法として注目されている。今回の成果により、さらに多くのTESを用いた蛍光XAFS研究が発展すると期待される。
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現在までの達成度 (段落) |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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