研究領域 | 宇宙観測検出器と量子ビームの出会い。新たな応用への架け橋。 |
研究課題/領域番号 |
21H00168
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
田中 実 大阪大学, 大学院理学研究科, 助教 (70273729)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 光渦 / 捩光子 / イオンビーム / ガンマファクトリー / STIRAP / ガンマ線レーザー / CARL / 水素様重イオン / イオン / ガンマ線 |
研究開始時の研究の概要 |
全角運動量は軌道角運動量とスピン角運動量の和で表わされます.電磁場の量子である光子はスピン1を持つ素粒子ですが, 軌道角運動量を持つ光ビームも可視光領域で実現しています.このような光は波面が螺旋状になっているので光渦やtwisted photonなどと呼ばれています.一方,X線領域やガンマ線領域の高エネルギーの光源の開発も活発に行われていて,部分的に電子を剥ぎ取った超高速イオンによる(可視領域)レーザー光の共鳴吸収による励起とその脱励起による高エネルギー光子の生成も提案されています.本研究では,加速されたイオンのビームを用いた高エネルギー光渦生成について,理論的な研究を行います.
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研究実績の概要 |
加速されたヘリウム様イオンのラマン過程によるガンマ線光渦生成について研究を行った。基底状態(J=0)のイオンをJ=2の状態にラマン過程で励起する際に、中間状態への実励起を避けるためにSTIRAP(stimulated Raman adiabatic passage)を用いることを想定した。この過程を光学ブロッホ方程式で記述し、数値計算により励起確率を求めた。シグナルはJ=2の状態からの基底状態への磁気4重極遷移により生成される磁気量子数±2の光渦で,この遷移確率も求めた。また、背景事象はJ=2以外の状態からの脱励起による光子で、これを評価するためにJ=2以外の状態を上述の光学ブロッホ方程式に組み込み、遷移確率を数値的に計算した。光学ブロッホ方程式における緩和過程の記述に必要なイオンの各電子状態の寿命についても理論計算を行った。また,ガンマファクトリーを想定し,イオンビームは円形加速器に蓄積されていると仮定すると、ヘリウム様イオンが2光子吸収によって電子を1つ失い水素様イオンになると、直ちにイオンが加速器から失われるので、このイオン化率も評価した。 ガンマ線生成にはエネルギー的に重イオンを用いることが必須なので、ヘリウム様重イオンのスペクトル、励起状態の寿命、多重極遷移確率、イオン化断面積が必要となるが、重イオンの場合、これらについての実験データはほとんどないので、相対論的多体計算によって求めた。 これまでの研究で、加速された重イオンの電子状態のレーザー光による操作とガンマ線生成の原理について理解が進んだので、この原理をコヒーレントなガンマ線、つまりガンマ線レーザーの生成に応用する可能性についても研究を進めた。特に、集団的原子反跳レーザー(collective atomic recoil laser, CARL)のガンマ線領域での可能性について検討した。
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現在までの達成度 (段落) |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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