研究領域 | 宇宙観測検出器と量子ビームの出会い。新たな応用への架け橋。 |
研究課題/領域番号 |
21H00173
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
中村 浩二 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教 (00554479)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
11,180千円 (直接経費: 8,600千円、間接経費: 2,580千円)
2022年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2021年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
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キーワード | 半導体 / 高時間分解能 / LGAD / 医療応用 / 分子イメージング / 飛跡検出器 |
研究開始時の研究の概要 |
増幅機能付き半導体検出器(LGAD) は、世界最高レベルの検出時間分解能(約30ps) を達成可能な半導体検出器である。本研究はLGAD検出器の生命イメージング、医療、産業での利用可能性を探る。もともと高エネルギー衝突実験用に開発している検出器で、荷電粒子の小さい電離作用で生成する電気的な信号を収集する。これに対し他分野での応用では、主に赤外から可視光の波長を持つ光に感度のある高時間・位置分解能検出器が要求される。現在の検出器は、検出器表面にアルミ電極が配置されているため、可視光は遮断され検出出来ない。この電極を透明化し、可視光に感度がある細密ストリップ型検出器を製造する。
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研究実績の概要 |
現在、我々が開発中の増幅機能付き半導体検出器(LGAD)は、世界最高レベルの検出時間分解能(約30ps)が達成可能な半導体検出器である。本研究課題はこの検出器に検出位置分解能を持たせること、荷電粒子による最小電離作用で生成する電気信号だけでなく、可視光や赤外光に感度のある検出器を開発することを目的とした。 検出位置分解能に関しては、検出位置による一様性を担保したまま電極を細密化することが可能となる静電容量型LGAD検出器(AC-LGAD)を開発した。AC-LGAD検出器はセンサー全体で一つの増幅層を配置し、細密化されたアルミ電極から信号をAC 的に読み出すことで位置分解能を得る。増幅層の不純物濃度が高いと抵抗が小さいため、隣接する電極間への信号のクロストークが予想されるため、抵抗値を大きくする必要があるが、不純物濃度が低すぎると空乏層がシリコン表面に到達し降伏電圧が下がる。条件振りを繰り返した末、電極の細密化が可能な最適な不純物濃度を発見した。この結果、ストリップ型検出器ではストリップ間隔が80umまで、ピクセル型検出器ではピクセル間隔が100umまでの細密化に成功した。さらに、可視光や赤外光に感度のある電極を開発するため、電極の透明化に取り組んだ。アルミ電極の代わりに300nm厚のポリシリコンを使うことで可視光および赤外光の透過率60%以上を実現した。製造したストリップ型ポリシリコン電極(80um間隔)を持つ静電容量型LGAD検出器は、アルミ電極と同等の性能を示すことを確認したが、ストリップ長が数ミリメートル以上の長さになる場合、信号の減衰が観測されることも明らかになった。以上のことから、この検出器を生命イメージング、医療、産業での利用が可能となった。また、応用する検出器の要求に応じたポリシリコン抵抗値の調整をすることで減衰率の調整が必要があることも明らかとなった。
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現在までの達成度 (段落) |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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