研究領域 | マルチスケール精神病態の構成的理解 |
研究課題/領域番号 |
21H00196
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 藤田医科大学 |
研究代表者 |
貝淵 弘三 藤田医科大学, 医科学研究センター, 教授 (00169377)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | うつ病 / 報酬回路 / 細胞内シグナル伝達 / 蛋白質リン酸化 / 細胞膜興奮 / シグナル伝達 / KCNQ2 / リン酸化 / 情動 / 細胞内シグナル解析 / 報酬行動 / 細胞種特異的 / 精神疾患 / 統合失調症 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では精神機能を制御するシグナル伝達経路に着目し、光/化学活性制御型キナーゼや疾患モデルマウスを用いて病態に関与する脳領域や細胞内シグナル伝達を解明する。本研究課題にあたり研究代表者は、次の3 つの課題解明を目的とする:1)シグナル伝達改変AAV ベクターを用いた統合失調症モデルマウスの病態改善、2)報酬シグナル改変によるうつ病モデルマウスの病態改善、3)抗うつ・非定型抗精神病薬の脳部位別イメージング解析。これらの解析から精神疾患の分子病態基盤を多階層レベルで統合的に理解することを目指す。
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研究実績の概要 |
脳深部に位置する側坐核は”やる気“を生み出す元となる報酬学習に重要な役割を果たしています。近年の研究では、側坐核の活動が低下することがうつ病の発症に関与している可能性が示唆されているものの、その活動制御機構については不明な点が多く存在する。報酬刺激時に放出される神経伝達物質ドーパミンは、側坐核の神経細胞の興奮性を高めることが知られている。研究グループは、1型ドーパミン受容体(D1R)の刺激によりリン酸化が増加するタンパク質を100種類以上同定した。そして、D1Rのシグナル伝達経路を絞り込み、ドーパミンがPKA/Rap1/ERK経路を介してD1R-MSNの発火率を高め、報酬行動を促進することを見出した。さらにERKはKCNQ2を直接リン酸化し、自身のチャネル活性を負に制御する。これにより、側坐核の神経細胞の興奮性が高まることでコカインによる報酬行動が誘発されることを突き止めた(Tsuboi et al, Cell Rep, 2022)。また、アセチルコリンは、学習、認知、情動行動に重要な役割を担っています。ムスカリン性アセチルコリン受容体(M1R)は、忌避に対する学習と行動を制御するが、その分子基盤は不明であった。M1RはPKCの活性化を介してβ-PIXのリン酸化を亢進させる。リン酸化したβ-PIXはPAKを活性化させることで忌避学習を制御することを明らかにした。次に認知症治療薬ドネペジルを投与した薬理モデルマウスを用いてシグナル伝達解析を行った。ドネペジルはM1R-PKC-β-PIX経路を介してPAKを活性化し、忌避学習や記憶を促進させた。これらの結果から、M1R-PKC-β-PIX-Rac-PAK経路はアセチルコリンの下流シグナルとして忌避学習や記憶を調節することが分かった(Yamahashi et al, Mol Psychiatry, 2022)。これらの研究成果から、情動行動を制御するシグナル伝達経路の活性を制御することが、うつ病などの報酬回路の異常を伴う精神疾患の創薬ターゲットとなる可能性が示唆されました。
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現在までの達成度 (段落) |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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