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精子形成期における分化運命決定機構

公募研究

研究領域配偶子インテグリティの構築
研究課題/領域番号 21H00233
研究種目

新学術領域研究(研究領域提案型)

配分区分補助金
審査区分 生物系
研究機関東京理科大学

研究代表者

前澤 創  東京理科大学, 理工学部応用生物科学科, 准教授 (90548174)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2023-03-31
研究課題ステータス 交付 (2022年度)
配分額 *注記
9,620千円 (直接経費: 7,400千円、間接経費: 2,220千円)
2022年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2021年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
キーワード生殖科学 / エピゲノム / クロマチン / パイオニア因子 / 精子形成 / 分化運命 / エピジェネティクス / 生殖細胞 / 分化
研究開始時の研究の概要

生殖細胞は、細胞分裂を繰り返して細胞数を増やすが、ある時期が来ると減数分裂を起こし、やがて精子もしくは卵に分化する。精子の元となる細胞(幹細胞)から精子が作られる際には、数千もの遺伝子発現が変化する。遺伝子発現変化は、ヒストンやDNAの化学修飾や、クロマチン構造変化によってもたらされ、そこでは多くの制御因子が機能している。その中でも本研究では、細胞の分化運命決定を担っている制御因子の同定、及びクロマチン構造の制御機構解明を目的とする。

研究実績の概要

本研究は、哺乳類精子形成期における分化運命決定機構の解明を目的とする。生殖細胞が分化し減数分裂期へ移行する際には、数千もの遺伝子発現が変化し、体細胞型の遺伝子発現プロファイルから精子形成期特有の遺伝子発現プロファイルへ切り替わる。申請者は、主に次世代シークエンス解析を利用して、遺伝子発現変化を制御する精子形成期特異的なエピゲノム形成機構やクロマチン構造変化を多数報告してきた。体細胞系列において、パイオニア転写因子や、クロマチン高次構造の再編成が細胞運命の決定に重要な役割を担っていることが示されつつあるが、生殖細胞分化においてはその分子機構が未解明である。
そこで本研究では、まずマウス精子形成期の代表的な分化段階の生殖細胞を分取し、雄性生殖細胞の分化進行に寄与する転写因子の同定を目指した。パイオニア転写因子は凝集したクロマチンを弛緩させる機能を有することから、各分化段階でオープンクロマチンに結合する因子を抽出した。本年度はオープンクロマチン結合性の因子の抽出に成功し、今後、質量分析で網羅的に同定する予定である。一方、シングルセルATAC-seq法を用いて精子形成の進行に重要な遺伝子発現を制御するクロマチン開閉状態を解析した。その結果、精子形成期における機能が未知の転写因子を複数同定した。また、代表的な分化段階の生殖細胞を用いて、クロマチン高次構造制御因子CTCFのクロマチン結合領域を同定したところ、減数分裂期の前後で結合領域が切り替わっていることが示された。さらに、体細胞型遺伝子発現の抑制に機能するSCML2の機能欠損マウスの精母細胞では、CTCF結合領域の変換に異常が生じていることが示された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の予定では、2021年度に精子形成期に機能するパイオニア因子の同定を終える予定であったが、未だ質量分析を実施するための十分量のオープンクロマチン結合タンパク質が得られていない。代替案としてシングルセルATAC-seq解析を実施し、シングルセルRNA-seqとの統合解析から、分化進行に機能する転写因子の同定を試みた。その結果、分化段階特異的に発現しクロマチン開閉状態を変化させる、複数のパイオニア因子の候補因子を同定した。一方、精子形成期の進行に伴う、CTCFのクロマチン結合機構の解析では、2021年度に予定していたChIP-seq解析を完了し、2022年度に予定していたScml2-KOマウスを用いたChIP-seq解析まで進めることができた。以上から、本研究はおおむね順調に進展していると判断した。

今後の研究の推進方策

今後、精子形成期の代表的な分化段階の生殖細胞を用いて、オープンクロマチン結合タンパク質を質量分析にて網羅的に同定する。一方で、シングルセルATAC-seq解析によって同定された候補因子の、分化進行への機能を調べるために、機能欠損マウスの作出、および細胞培養系を用いた分化誘導能の検証を実施する。さらに、CTCFのクロマチン結合変化の分子機構を明らかにするために、変化が生じるゲノム領域におけるエピジェネティックな変化やクロマチン開閉変化との関連性を検討する。

報告書

(1件)
  • 2021 実績報告書

研究成果

(2件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Meiotic sex chromosome inactivation and the XY body: a phase separation hypothesis2021

    • 著者名/発表者名
      Alavattam Kris G.、Maezawa So、Andreassen Paul R.、Namekawa Satoshi H.
    • 雑誌名

      Cellular and Molecular Life Sciences

      巻: 79

    • DOI

      10.1007/s00018-021-04075-3

    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] 生命の連続性を担う生殖細胞のエピゲノム形成機構2021

    • 著者名/発表者名
      前澤創
    • 学会等名
      第114回 日本繁殖生物学会大会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
    • 招待講演

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公開日: 2021-04-28   更新日: 2022-12-28  

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