研究領域 | 遺伝子制御の基盤となるクロマチンポテンシャル |
研究課題/領域番号 |
21H00242
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
岸 雄介 東京大学, 定量生命科学研究所, 准教授 (00645236)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
9,620千円 (直接経費: 7,400千円、間接経費: 2,220千円)
2022年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2021年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
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キーワード | ニューロン / クロマチン / 核 / 分化 / 大脳新皮質 / 神経幹細胞 / scATAC-seq |
研究開始時の研究の概要 |
発生過程において、幹細胞が機能細胞に分化する過程では、必要な遺伝子や不要な遺伝子のクロマチン構造が次々に変化し、その後の遺伝子発現を制御する。本研究では、生体内において神経幹細胞が成熟ニューロンに分化する過程で起こる様々なイベントについて、どのゲノム領域で形成されたクロマチンポテンシャルが、その後どのように遺伝子発現に影響し、最終的にニューロンの機能にどういった影響を与えるか、を明らかにすることを目的とする。
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研究実績の概要 |
本年度は、生体内ニューロンの発生過程の一つである神経活動依存的な分化における、クロマチン構造・核の形態変化に着目して研究を進めた。 ニューロン可塑性は、外界からの刺激に応じてその性質を変化させる能力のことであり、私たちが覚えたり忘れたりするときのベースとなるメカニズムである。興味深いことにこれまでの研究において、ニューロンが刺激に応じて遺伝子発現パターンを変化させるときに、核の形が大きく変形して陥入することが知られており、これが遺伝子発現の応答性に寄与することが示唆されていた。私たちは、生体内のニューロンにて生理的な刺激でも同じことが観察されるかを調べるために、視覚刺激に応答する視覚野ニューロンの核の形態をタイムラプスイメージングにて調べた。その結果、高い時間解像度で核の形態変化を捉えることができ、若齢ニューロンでは15-20分の間に核が陥入することがわかった。一方、老化に伴ってニューロン可塑性は低下するが、老齢ニューロンでは核の変形は観察されなかった。またこのとき、核のかたさを原子間力顕微鏡で調べたところ、老齢ニューロンの核は若齢ニューロンよりかたくなっていることがわかった。この結果から、核がかたくなることでフレキシブルに核が変形できなくなったことが、老化に伴う遺伝子発現応答性の低下、ひいてはニューロン可塑性の低下の原因である可能性が示唆された(Frey et al., bioRxiv, 2022)。
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現在までの達成度 (段落) |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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