研究領域 | 遺伝子制御の基盤となるクロマチンポテンシャル |
研究課題/領域番号 |
21H00243
|
研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
秋光 信佳 東京大学, アイソトープ総合センター, 教授 (40294962)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
9,360千円 (直接経費: 7,200千円、間接経費: 2,160千円)
2022年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2021年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
|
キーワード | RNA / RNAボディ / 核 |
研究開始時の研究の概要 |
これまでの実験結果は、MALAT1が熱ストレス時にクロマチン状態を変化させ、熱ストレス耐性の獲得に寄与することを示唆している。そこで、「MALAT1を含有するHiNoCo-bodyがクロマチン状態を制御し、熱ストレス耐性の獲得・維持に寄与する」という仮説を立てた。本研究では、この仮説を検証し、HiNoCo-bodyによる熱ストレス時のクロマチン制御の分子機構を解明する。さらに、HiNoCo-bodyが熱ストレスの記憶装置として働くかというチャレンジングな課題にも挑む。
|
研究実績の概要 |
核内RNAボディとクロマチン制御との関係を調べるため、次世代シーケンス技術とバイオインフォマティックス解析をつかってアプローチした。具体的には、熱ショックで形成されるノンコーディングRNA含有RNAボディであるHiNoCo-bodyを対象に、HiNoCo-bodyの構成RNAであるMALAT1ノンコーディングRNAに着目し、MALAT1に対するアンチセンスオリゴをデザインし、ハイブリダイゼーショインによってMALAT1を回収するときに同時回収されるゲノム領域を次世代シーケンス解析した(ChIRP-seq法)。その結果、熱ショック依存的にMALAT1が熱ショック応答遺伝子と相互作用することを見いだした。この結果は、熱ショックによって、熱ショック応答遺伝子群が集められる可能性を示唆する結果であった。つぎに、ゲノム領域とRNAとの相互作用をさらに検証するため、DNA/RNA-FISH実験をおこなったところ、熱ショック依存的にMALAT1(すなわちHiNoCo-body)と注目ゲノム領域が近接することを確認した。さらに、MALAT1と相互作用する熱ショック遺伝子は、熱ショック依存的な遺伝子発現がMALAT1欠損によって抑制されることを見いだした。これらの結果は、HiNoCo-bodyがクロマチン制御を通じて特定の遺伝子群の発現を制御することを示唆する結果である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
HiNoCo-bodyがクロマチン制御を通じて特定の遺伝子群の発現を制御することを示唆する重要な結果を得たことから、順調に研究が進捗していると判断した。
|
今後の研究の推進方策 |
これまでの知見をもとに立案した仮説を検証する実験をさらにすすめる。
|