研究領域 | 遺伝子制御の基盤となるクロマチンポテンシャル |
研究課題/領域番号 |
21H00247
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
柴田 幹大 金沢大学, ナノ生命科学研究所, 教授 (80631027)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
9,360千円 (直接経費: 7,200千円、間接経費: 2,160千円)
2022年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2021年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
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キーワード | 1分子イメージング・ナノ計測 / クロマチン動態 / 超分子複合体 / バイオイメージング / 1分子計測・操作 / 1分子イメージング・ナノ計測 / 一分子計測・操作 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、生命活動の根幹といえる遺伝子発現を分子レベルで解明することを目指し、応募者らがもつ世界屈指の高速原子間力顕微鏡(高速AFM)を用い、クロマチンリモデリングの瞬間をナノ空間・リアルタイムで撮影する。本研究により、当該領域が掲げる、クロマチン構造が潜在的に持つ遺伝子発現制御能力「クロマチンポテンシャル」の一部が可視化され、より詳細な作動機構が解明されると期待できる。クロマチンポテンシャルの実体を生体分子の1分子イメージングという観点からアプローチする本研究は、他に類のない研究と位置づけられる。
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研究実績の概要 |
生命の根源ともいえる遺伝子発現制御には、クロマチンダイナミクスが重要である。しかし、クロマチンの基本単位であるヌクレオソームのナノ動態や、クロマチン制御因子群がヌクレオソーム上で起こす動的な構造変化をナノ空間、かつ、リアルタイムで直接可視化し解析した例はない。本研究は、高速原子間力顕微鏡(以下、高速AFM)を用い、ヌクレオソームのナノ動態を実時空間でイメージングし、ヌクレオソーム動態および、その関連タンパク質の分子作動機構を明らかにすることを目的とする。 本年度は、ヒストンバリアントの一種であるH2A.Zを含むヌクレオソームに対して高速AFMを適用した。H2A.Zは、遺伝子の転写活性領域と抑制領域の両方に高度に集積すること,また,その遺伝子欠損マウスが,ほとんどが生存できないという実験事実から,生体内で非常に重要な役割をもつことが知られている。しかしながら,H2A.Zが遺伝子発現の制御に活性(プラス)にも抑制(マイナス)にもはたらく,その分子メカニズムはほとんど分かっていなかった。そこで本研究では,精製したH2A.ZとDNAをもとに,H2A.Zを含むヌクレオソームを試験管内で再構成し,その1秒以下のナノ動態を高速AFMを用いて直接可視化することを試みた。その結果,H2A.Zを含むヌクレオソームが,自発的に0.3秒以内の時間スケールでDNAに沿って移動すること(ヌクレオソームスライディング)を発見した。さらに,H2A.Zのアミノ酸残基を主要型であるH2Aのアミノ酸残基へ入れ替えた変異体を解析することで,H2A.ZのN末端に位置するアミノ酸残基がこのヌクレオソームスライディングに関与していることが分かった。本研究では,ヌクレオソームのダイナミクス観察という観点において,エピゲノムによる遺伝子発現制御の分子メカニズムの一端を明らかにした。本研究成果は、今後,遺伝子発現制御の分子メカニズムに対して新しい知見を提供することが期待される。
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現在までの達成度 (段落) |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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