研究領域 | 遺伝子制御の基盤となるクロマチンポテンシャル |
研究課題/領域番号 |
21H00252
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
寺川 剛 京都大学, 理学研究科, 助教 (20809652)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
9,360千円 (直接経費: 7,200千円、間接経費: 2,160千円)
2022年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2021年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
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キーワード | コンデンシン / 分子モーター / 染色体ループ形成機構 / ヌクレオソーム / DNAカーテン法 / 一分子蛍光イメージング / 蛍光顕微鏡観察 / クロマチンカーテン / 染色体凝集 |
研究開始時の研究の概要 |
クロマチンを構成するヌクレオソームの大きな役割の1 つは、長いゲノムDNA を小さい核の中にパッケージングすることである。パッケージングの程度は細胞周期の各期によって異なり、その程度によってクロマチンポテンシャル(クロマチン構造による遺伝子発現制御)が変化する。本研究の目的は、クロマチンポテンシャルを変化させるタンパク質「コンデンシン」がクロマチン上で機能する分子機構を明らかにすることである。具体的には、DNA カーテン法を用いた 1 分子蛍光顕微鏡観察によって、ヌクレオソームの存在がコンデンシンの分子機構に与える影響を明らかにする。
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研究実績の概要 |
コンデンシンというタンパク質が、有糸分裂期において分子モーターとして染色体ループを形成することで染色体凝集を引き起こすことが知られている。しかしながら、過去の研究では、コンデンシンがどのようにして染色体ループを形成するかについてはわかっていなかった。特に、ヌクレオソームのような障害物がある環境で、コンデンシンが分子モーターとして機能できるかどうかは不明であった。そこで、私たちはDNAカーテン法を用いて、複数種のナノパターンを描画し、DNAの両端の距離を可変にし、DNAにかかる張力を調節することで、コンデンシンがDNA上を歩進する様子を一分子蛍光顕微鏡で観察した。その結果、DNAにかかる張力が小さいときには、コンデンシンが速いモードと遅いモードの2種類のモードでDNA上を歩進することがわかった。また、ヌクレオソームなどのDNA上の障害物を乗り越えることができるのは速いモードだけであることもわかった。これらの結果から、コンデンシンが裸のDNA上だけでなく、染色体上でも分子モーターとして機能することが示唆された。この研究成果は、染色体ループ形成機構の解明に向けて重要な一歩である。これまでのクライオ電子顕微鏡観察でも、ヌクレオチド結合時に2種類の構造変化が報告されていることから、私たちの研究結果は先行研究とも整合性がある。私たちは、この研究成果が、コンデンシンを含むタンパク質複合体が染色体形成にどのように寄与しているかを理解する上で、大きな意義があると考えられる。
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現在までの達成度 (段落) |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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