研究領域 | 遺伝子制御の基盤となるクロマチンポテンシャル |
研究課題/領域番号 |
21H00259
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
岩崎 由香 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 訪問教授 (80612647)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
9,360千円 (直接経費: 7,200千円、間接経費: 2,160千円)
2022年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2021年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
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キーワード | クロマチン / 非コードRNA / トランスポゾン / エンハンサー / インシュレーター / テロメア / サブテロメア / ゲノム高次構造 / ヘテロクロマチン / 転写制御 / エピゲノム制御 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、トランスポゾンが真核生物ゲノムの膨大な領域を占める意味を、ヘテロクロマチンとゲノム三次元構造という視点から解明する。これまでに、piRNAと呼ばれる小分子非コードRNAによるトランスポゾンの遺伝子発現制御の実態は、核ラミナ相互作用ドメインやゲノム三次元構造の変動を伴うダイナミックな核内構造の変化であることを見出した。これを受けて、トランスポゾンは制御されること自体を通じて、ゲノム上のドメイン領域としての機能があるのではないか?と着想した。本研究では、トランスポゾンを中心としたクロマチン状態と遺伝子発現の変化とこれを制御する分子機構を理解する。
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研究実績の概要 |
本研究では、トランスポゾンをはじめとした非コードゲノム領域が、非コードRNAやインシュレーターによる制御を受けて、ゲノム構造と遺伝子発現をどのように形作るかについての新たな知見を得た。PIWI-interacting RNA(piRNA)は、生殖組織特異的にトランスポゾンを抑制することでゲノムの安定性を維持する非コードRNAである。ショウジョウバエpiRNAは、Piwiタンパク質と結合し、ヘテロクロマチン形成を通じて標的トランスポゾンの転写を抑制することが知られている。Piwiが標的抑制の際に新生RNA上で形成する複合体を新たに同定し、これをPPNp複合体と名付けた(Murano and *Iwasaki et al., EMBOJ, 2019)。この複合体が、ゲノムの核内構造の多層的な変化を誘導することでトランスポゾンの発現を抑制していることを明らかにした(*Iwasaki et al., EMBOJ, 2021)。さらに、PPNp複合体をレポーター上に係留することでヘテロクロマチン構造が段階的に形成される様子を時系列的に理解した。生殖組織でpiRNAがトランスポゾン抑制に重要な役割を果たす一方で、体細胞におけるトランスポゾンの制御については不明な部分が大きい。本研究では、卵巣体細胞において、Mod(mdg4)の機能未知スプライスバリアントが、サブテロメア領域のエンハンサーを抑制してテロメア構成トランスポゾンHeT-Aの発現を抑制していることを明らかにした(Takeuchi et al. (*Iwasaki), NAR, 2022)。この制御機構は、ショウジョウバエテロメア配列の安定性の維持に重要な役割を果たしている。
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現在までの達成度 (段落) |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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