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脱ユビキチン化酵素の切断機構を活用した細胞内タンパク質発現制御法の開発

公募研究

研究領域ケモテクノロジーが拓くユビキチンニューフロンティア
研究課題/領域番号 21H00271
研究種目

新学術領域研究(研究領域提案型)

配分区分補助金
審査区分 複合領域
研究機関筑波大学

研究代表者

宮前 友策  筑波大学, 生命環境系, 准教授 (30610240)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2023-03-31
研究課題ステータス 交付 (2022年度)
配分額 *注記
5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
キーワードタンパク質安定性制御 / デグロン / 脱ユビキチン化酵素 / ユビキチン / タンパク質分解制御
研究開始時の研究の概要

細胞内の標的タンパク質の分解や発現を制御する技術は、基礎生物学や医学における強力な分子ツールである。特に分解を誘発するポリペプチド(デグロン)を遺伝子工学的に付加して、デグロンを融合したタンパク質の発現のオンオフを、化合物や光の照射により、翻訳後レベルで制御する手法は、特異的かつ迅速に制御することのできる有用な手法となる。本研究では、細胞が備えている脱ユビキチン化酵素による切断機構を活用して、標的タンパク質の発現や機能を、本来細胞が有するありのままの姿で制御することのできる手法の開発を行う。本手法は、広く生命科学研究に利用可能なだけでなく、細胞治療など医学分野への応用も期待される。

研究実績の概要

本研究では、申請者が独自に見出した、脱ユビキチン化酵素(DUB)の基質配列の改変による切断速度の調節現象と、小分子化合物応答性デグロンを組み合わせた方法論を構築し、新たなタンパク質発現制御ツールの確立を目指す。具体的には、小分子応答性分解誘発ドメインであるdestabilizing domain (DD)のC末端とPOIのN末端の間に、DUBによる緩やかな切断を受けるユビキチン(Ub)の部分配列を「タグリムーバー」として挿入したキメラタンパク質を用いる。この融合タンパク質は、細胞内に発現させるとDDの不安定性により速やかに分解されるが、DDに結合する安定化リガンドを添加することにより、DDの構造が安定化された後、次いで細胞内のDUBによりPOIがタグリムーバーのC末端から切断され、タグから解放されると考えられる。これにより、POIの発現量を細胞が本来有するありのままの姿で制御することが可能になる。標的タンパク質の発現並びに分解を翻訳後レベルで制御する手法は、基礎生物学ならびに医学分野への応用が見込まれる有用な分子ツールとして期待される。
令和3年度は、DUBの酵素活性に対して部分的に耐性を示すも、認識後に効率よく切断されるような配列の長さを検討し、最適な部分配列を同定した。また、タンパク質分解制御法としての基本的性能を検討するため、細胞質タンパク質、核タンパク質、膜局在タンパク質など様々な特性を持つタンパク質を対象として、システムが作動することを確認した。タンパク質のN末端の構造に寄っては、リンカーの挿入が有効であることも判明した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

計画通り、最適な長さの切断器質配列を同定し、様々なタンパク質への適用を検討することができたため、概ね順調に進展していると判断した。

今後の研究の推進方策

今後は、ゲノム編集技術を組み合わせることにより、内在性タンパク質の発現制御への応用が可能化検討する。

報告書

(1件)
  • 2021 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] Strategies for Post-Translational Control of Protein Expression and Their Applications2021

    • 著者名/発表者名
      Utsugi Yuki、Miyamae Yusaku
    • 雑誌名

      Applied Sciences

      巻: 11 号: 18 ページ: 8300-8300

    • DOI

      10.3390/app11188300

    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 小分子化合物による細胞内タンパク質の分解制御技術2021

    • 著者名/発表者名
      宇津木優樹、鈴木琢海、宮前友策
    • 雑誌名

      バイオサイエンスとインダストリー

      巻: 79 ページ: 200-204

    • NAID

      40022572020

    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [学会発表] 生細胞中の脱ユビキチン化酵素の活性を検出する準生体直交型バイオセンサータンパク質の開発2022

    • 著者名/発表者名
      鈴木 琢海、宇津木 優樹、礒田 博子、宮前 友策
    • 学会等名
      日本農芸化学会2022年度大会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [産業財産権] 新規ポリペプチド及びその利用2022

    • 発明者名
      宮前友策、宇津木優樹
    • 権利者名
      宮前友策、宇津木優樹
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      2022-060191
    • 出願年月日
      2022
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書

URL: 

公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

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