研究領域 | 時間生成学―時を生み出すこころの仕組み |
研究課題/領域番号 |
21H00315
|
研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
複合領域
|
研究機関 | 国立研究開発法人情報通信研究機構 |
研究代表者 |
林 正道 国立研究開発法人情報通信研究機構, 未来ICT研究所脳情報通信融合研究センター, 研究員 (50746469)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
|
キーワード | 時間知覚 / 経頭蓋磁気刺激 / 心理物理 / 経頭蓋静磁場刺激 / 脳磁図 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、まず脳機能イメージングおよび脳磁図を用いて、時間情報処理の脳内ネットワークにおける脳領域間のダイナミクスの検討、および時間情報の伝達経路の特定を行う。そして、特定した時間情報の伝達経路に対して経頭蓋磁気刺激による皮質間連合刺激を行うことで、脳領域間の機能的結合性を操作し、時間知覚における精度やバイアスが変化するかを検証する。これにより、時間情報処理ネットワークにおける各脳領域間の機能的結合と時間知覚の因果関係を明らかにする。
|
研究実績の概要 |
本研究では、まず時間情報処理における脳領域間の情報伝達経路の特定、および脳領域間結合と時間知覚の因果関係を明らかにする。 我々の最新の研究成果では、持続時間(単一の刺激の継続時間)と間隔時間(複数の刺激の間の時間間隔)が脳内では別々のニューロン群によって表現されていることが示された。そこでまずは本研究で用いる刺激フォーマットを検討するための実験を実施した。この実験では被験者を2群にわけ、一方では200ミリ秒の持続時間、もう一方では200ミリ秒の間隔時間の弁別についてそれぞれ4日間の訓練を行い、その前後で時間長の弁別閾値に変化が起こるかを調べた。その結果、持続時間では学習による弁別閾値の変化がほとんど生じないのに対して、間隔時間の学習においては有意な閾値の低下が見られた。この結果は異なる刺激フォーマットによって示される時間長の学習効率に違いがあることを示唆しており、持続時間と間隔時間の神経基盤の乖離を示している。 我々の研究では時間情報処理に関連する脳領域に対して刺激を与え、脳領域間結合と時間知覚の因果関係を明らかにする。そこで、まず標的とする脳領域と時間知覚の関係を明らかにするため、経頭蓋静磁場刺激(tSMS)および4連発磁気刺激(QPS)を用いてこれを検証することとした。まずは効果的な刺激法を確立するため、これらの効果についての基礎的な検証をおこなった。この検証実験では、QPS用の磁気刺激コイルおよびtSMS用のネオジム磁石を第一次運動野の直上に置き、刺激前後の運動誘発電位(MEP)の変化を検証した。QPSによる実験の結果、先行研究で示された促進・抑制の効果が想定通りに再現されることが確認された。tSMSについても同様に実験を行い、刺激中に直下の脳領域で活動の抑制が起きている可能性が示唆された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実験で用いる視覚刺激や脳刺激の手法の検討を順調に進める事ができたため。
|
今後の研究の推進方策 |
本年度に実施した視覚刺激や脳刺激の検討結果を踏まえ、時間情報処理における脳領域間の情報伝達経路の特定、および脳領域間結合と時間知覚の因果関係の検証を進める。
|